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三井ホームのモデルハウス
三井ホームのモデルハウスに訪問し、住宅のプロの目で取材してきました。
三井ホームの価格や仕様、評判、商品の特徴など分かりやすく解説します。
目次
三井ホームの直近4年間の住宅事業売上高をグラフにしました。
戸建住宅の受注戸数を見ると横這いですが、リフォームや賃貸マンションの売上が年々増加しています。
三井ホームは2018年に三井不動産の完全子会社になり、東証一部上場を廃止しました。
三井ホームは大手ハウスメーカーの中でもかなり高い部類になります。
住宅産業新聞の調べによると、
三井ホームの全国平均坪単価は98.0万円となっています
。
ハウスメーカーの中でも、かなり高額になります。
富裕層向けの商品だと、坪単価100万円からとなっていますが、20~30代の第一次取得者向けの商品は坪単価50万円代というものもあります。
営業マンの説明では、価格は違いますが、家の基本性能は一緒だとか。
三井ホームはオプションで「スマートブリーズ」という東芝製の全館空調換気システムを用意していて、営業マンによると三井ホームで家を建てる人の7割が、このシステムを採用しているようです。
このシステムは第一種換気で、換気だけでなく、家中の冷暖房と空気清浄機能も備わっていて、家中の室温を一定にして、しかもホコリやハウスダストを90%カットします。
(第一種換気というのは、給気も排気もファンを使って、強制的に換気する方式です)
更に湿度調整もします。
除湿は空調機の除湿機能で、加湿は気化式なのですが、どうしても冬はやや乾燥気味になるとの事でしたので、補助で別途加湿器を用意した方が良いかも知れません。
価格は延床面積によって違ってきますが、概ね150万~200万円ほどとの事。
イニシャルコストは結構掛かるものの、ひじょうに快適な生活ができる事から、評判は良いとの事でした。
ただ、このシステムで、ちょっと気になったのは音です。
実際にモデルハウスに行ってみると、周りの音が大きいので、それほど気にはなりませんでしたが、このような大掛かりな換気システムは、夜、寝静まっていると、結構運転音が気になると訴える人もいます。
実際に設計する際には、寝室の近くには設置しないようにするなどの工夫が必要かも知れません。
ところで、このシステムを採用する場合、メンテナンス契約をしなくてはなりません。
費用は年間約2万円とのことなので、それほど負担にはなりません。
メンテナンス契約をすることで、消耗品や劣化した部品を実費で好感してくれるとのことでした。
部品は業務用の製品と同じものを使っているので、生産中止になって入手できないということはないとのことです。
ただ、空調の技術は日進月歩で開発が進んでいるので、20年後に、今よりも格段に進歩したエアコンを横目に見て、最新のシステムに交換したいと思うかも知れませんが、壁掛けのエアコンを交換するのとはわけが違うので、それなりの出費を覚悟しなければならないでしょう。
とても快適な住環境を得られるのは確かだと思いますが、反面、デメリットもある事を理解しておくべきかと思います。
三井ホームの標準仕様の換気システムは、
パイプファン(小型の換気扇)を使った、第三種換気です。
(第三種換気というのは、排気はファンを使って、
給気口にはファンは使わず、自然に給気する換気方式です)
第三種換気の場合、家の気密性がかなり良くないと
上手く換気することができません。
気密性が悪く、隙間が多いと、
排気ファンの近辺の隙間から空気が入り込んでしまい、
本来空気が入ってきて欲しい給気口からは
ほとんど空気が入ってこないことになってしまいます。
三井ホームはツーバイフォーなので、
気密性が良いとは言うものの、
特に気密施工はしておらず、気密測定もしていないので、
充分な気密性は期待できないかもしれません。
ちなみに第三種換気で換気するのでしたら、
最低でもC値が2.0以下の気密性が必要です。
※C値とは、(別名、隙間相当面積)
住宅の気密性能を表す数値で、床面積1平方メートルに対し、
どれだけの隙間があるかを数値で表します。
数値が小さいほど、隙間が少ない事になり、
気密性能が良いという事になります。
三井ホームで家を建てる場合、
標準の換気システムでは、計画通りの換気ができない事もあり得ます。
可能であれば、先にご紹介した、第一種換気の
「スマートブリーズ」を採用する方が良いかも知れません。
三井ホームで最も特徴的なのが、打合せに参加する建築士やインテリアコーディネータが、外部ブレーンだということです。
他社の場合、建築士は自社の社員なのですが、建築士の資格は持っているものの、ただのサラリーマンです。
独立して自力で渡り歩いている建築士とは、気概が違いますし、レベルも違います。
三井ホームは、そんな外部ブレーンの建築士を
積極的に使っているということで、提案力やデザイン的センスには期待が持てそうです。
一般的な評判では、三井ホームは紳士的で、あまり値引きはしてこないと言われているようです。
しかし、私は昔、工務店に勤めていたころに何度か、三井ホームと競合したことがあり、信じられないようなスゴイ値引きをする状況に遭遇したことがあります。
それもナンと、600~700万という値引きでした。
結局、その値引きにより、三井ホームと契約をする事になったのですが、そのような極端な値引きは、要注意です。
その方からお聞きした、三井ホームに対する評判は、結局、値引きした分は、契約した後に、あれやこれやと仕様変更や追加工事を余儀なくされ、最終的には当初の予算よりかなりオーバーしてしまうのがオチだという事でした。
独立して今の仕事をするようになってからも、同じような相談が、何度かありました。
日本でいち早くツーバイフォー工法を採用し、ツーバイフォーのリーディングカンパニーを自負しています。
設立当初から、外観やインテリアなどのデザインには力を入れていて、お洒落な洋風の生活スタイルを日本に浸透させてきた立役者と言っても過言ではありません。
そんな三井ホームも、昔と比べると、テレビコマーシャルの量はかなり減って、着工数もかなり減ったようです。
そのため、リストラを推し進めたようで、三井ホームの設計士やビルダーが、地元でツーバイフォー工法を手掛ける中小工務店にドンドン流出し、結果、日本のツーバイフォー工法の底上げになったように思います。
C値:公表されていません
Q値:1.42(プレミアムエコ仕様)
UA値:0.43
気密性を表すC値は公表されていませんが
元々、ツーバイフォー工法は気密性に優れた工法なので、ある程度期待はできそうです。
ちなみにZEH(ゼロエネルギー住宅)の断熱基準は次のようになっています。
三井ホームの最大の特長は、屋根にSDパネルという、
ひじょうに断熱性を備えたパネルを採用していることです。
SDパネルは、
発泡ポリスチレンの断熱材を、構造用面材でサンドイッチしたもので、
真夏の日射で屋根が照りつけられても、
2階が暑くなるようなことはありません。
ただし、気密測定などは特にしておらず、
全棟に気密測定をしているセキスイハイムや一条工務店と比べると、
高断熱高気密に対する姿勢は、今1つという感は否めません。
北米生まれのツーバイフォー工法ということもあり、
会社設立当初から、洋風のデザインを積極的に取り入れ、高級でお洒落というイメージを確立しました。
デザインには力を入れていて、
特にインテリアコーディネーターの資格試験が制定されたのも、主に三井ホームの働きかけによるものでした。
ですから、三井ホームのモデルハウスを見ると、
大手ハウスメーカーの中では外観もインテリアもセンスの良さが、際立っているように思います。
外壁の仕上げとして、最もよく採用されているサイディングではなく、意匠性を重視して、ラスモルタル仕上げを頻繁に採用しています。
ただ、贅を尽くしたモデルハウスとは違い
予算に厳しい面がある人の場合、どこまでそのデザインセンスが反映できるかは分かりませんが。
免震装置は地震の揺れを大きく吸収し、
震度7の大地震が来ても、ダイニングテーブルの上のワイングラスからワインがこぼれない程の効果があります。
しかし、価格が300万円以上もするため、ほとんど採用されることがありませんでした。
そこで、免震装置に変わって出てきたのが制震装置です。
制震装置は免震装置ほどの効果はありませんが、家の倒壊を防いだり、家具の転倒を防ぐ程度に減震してくれます。
そして価格も数十万円程度なので、大手ハウスメーカーは各社オプションで制震装置を揃え、ウリの1つにしています。
しかし、三井ホームは制震装置を扱っていません。
それには理由があります。
三井ホームはツーバイフォー工法だからです。
制震装置は地震によって建物が変形するのを利用して、地震の揺れを吸収する仕組みになっています。
ところがツーバイフォー工法は構造的に変形しにくく、制震装置を設置しても、ほとんど揺れを吸収することができません。
そんな訳で制震装置を扱っていないのですが、ツーバイフォー工法と似たような木質パネル工法のミサワホームは「MGEO」という制震装置をウリにしています。
ミサワホームも変形しにくい構造なので、「MGEO」を設置しても、意味がないのではないかと感じるのですが・・・
。
ともかく、三井ホームは工法の特性から、制震ではなく、耐震を前面に出しています。
三井ホームには非常に多くの商品が揃っています。
ここでは、三井ホームが特に力を入れている4つの商品をご紹介します。
画像は三井ホームのHPより
SCALA(スカーラ)はスキップフロアを利用して、光あふれる大空間を実現した商品で、主に次の様な特徴があります。
三井ホームの発表では、坪単価75.5万円(建物本体価格)となっています。
画像は三井ホームのHPより
NEW GRAN FREE(ニューグランフリー)は自然素材をふんだんに使った三井ホームの最高級グレードの商品で、主に次の様な特徴があります。
画像は三井ホームのHPより
Lucas(ルーカス)は都会に暮らす20代30代の共働き世帯向けに開発されたツーバイシックス工法の商品で、特徴は次の3点
延床面積139.88㎡(42.31坪)で2,919万円(坪単価68.9万円)となっています。
画像は三井ホームのHPより
LANGLEY(ラングレー)のテーマは「暮らしの四季を、綴る家」です。
富裕層向けに開発された商品で、特徴は次の3点。
商品名の「ラングレー」はカナダのブリティッシュコロンビア州にある都市の名前。
参考価格は坪単価100万円~となっています。
三井ホームの口コミの記事は別ページです。
下記よりご覧ください
三井ホームで家づくりを検討している方々のために、
ご参考になるような実際にあったお話しを教えてください。
悪い話しでも結構ですし、三井ホームで建てて良かったというお話しも歓迎です。
ぜひ、こちらの問合せフォームから、情報をお寄せください。
三井ホームの歴史の記事は別ページです。
下記よりご覧ください
総じて、設計やインテリアのセンスが良いという感じはします。
それ以外にもう一つ。
実は以前、三井ホームさんには申し訳ないのですが、
一般客を装って、偵察したことがあります。
その時、営業マンがこの様なことを言ってました。
「ウチは高価格の商品も、低価格の商品も、
基本的な構造は全く一緒です。
積水ハウスさんは、価格帯によって、構造が違います。」
確かに、三井ホームは
ツーバイフォー工法の専業メーカーですから・・・。
それもメリットと言えなくはないですが、
それよりツーバイフォー工法がオープン工法というのが
もっと大きなメリットだと思います。
オープン工法は
工法のノウハウが全て公開されていて、誰でも扱う事がでます。
在来工法もオープン工法です。
ですから、もし将来、リフォームや不具合の補修などで、
構造体自体を触らなければならない時、
三井ホームじゃなくても、近所の工務店でも対応できます。
しかし、他のハウスメーカーのほとんどは、
独自の工法で、クローズドになっているので
そのハウスメーカーでなければ構造体を触る事ができません。
仮に30年後、もしそのハウスメーカーが存在していなかったら・・・。
★オススメの記事
このホームページに記載してある情報は自由に使用ていただいて結構です。 ただ、WEB上で引用される場合は、 「家づくりを応援する情報サイト」からの引用である事を記載して、 更に、このホームページへのリンクをしてください。 どうかよろしくお願いします。
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