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ミサワホームのモデルハウス
ミサワホームのモデルハウスに訪問し、住宅のプロの目で取材してきました。
ミサワホームの価格や仕様、評判、商品の特徴など分かりやすく解説します。
目次
ミサワホームの戸建て住宅に絞って、販売戸数と売上高について、直近の4年間の推移をグラフにしました。
ミサワホームは2017年にトヨタホームの連結子会社となりました。そしてトヨタ自動車とパナソニックによる合弁会社「プライムライフテクノロジーズ」が設立され、ミサワホーム、トヨタホーム、パナソニックホームズが統合する事となりました。
ミサワホームのブランド名はそのまま継続する事となりましたが、上場廃止となりました。
ミサワホームのエリア別の受注割合は、首都圏23.5%、関東地方13.7%、中部地方12.8%、九州地方11.8%となっていて、全国的に満遍なく展開しています。
商品によって、様々な価格帯に対応できるようになっています。
対応してくれた営業マンの説明では、
ミサワホームの坪単価の目安は、65万~75万円との事でした。
住宅産業新聞の調べによると、
ミサワホームの全国平均坪単価は78.5万円となっています。
ハウスメーカーの中にあっては、普通よりやや安価な方です。
ミサワホームと言えば何といっても「蔵のある家」。
「蔵のある家」というのは商品という訳ではなく住宅の形式で、
1階と2階の間に「蔵」と称する、天井高1m40cmの空間を設け、
充実した収納が確保できるというものです。
各商品に「蔵」を採用するかしないかを選択できるのですが、
注文住宅で建てる人の半分以上が、採用するとの事でした。
では、蔵の有りと無しでどれだけ金額が違うのか?と営業マンに尋ねたところ、
「間取りや商品など条件によって変わるので、何とも言えない」との事でした。
ただ、プラン集を見ると、
延べ床面積30.18坪で、8畳の蔵が付いたプランで、
税抜き価格が、23,079,600円
同じく、延べ床面積30.18坪で、蔵が無しのプランで、
税抜き価格が、21,124,800円
ここから推測すると、
家の大きさや蔵の広さによって変わってくると思いますが、
概ね200万円ぐらいのアップにはなりそうです。
「邸宅」をコンセプトのキーワードにした、上級クラスのブランドです。
センチュリーという名称の通り、100年住宅がメインテーマとなっています。
単純に耐久性に優れた家というだけではなく、間取りやデザインの陳腐化という面も考慮し、永く住み続けられる事を意識した商品になっています。
ミサワホームが公表した資料では
延べ床面積77坪で、62,430,000円。
坪単価にすると約81万円になります。
ミサワホームとしては高めの金額設定になっています。
デザイナー住宅のシンプルな外観が特徴で、「マチ」「イエ」「家族」を取り巻く問題を解決するために開発されたブランドです。
街に開かれた中庭を設け、近隣や友人、家族が自然と集えるように配慮した造りになっています。
ミサワホームが公表した資料では
延べ床面積41坪で、31,680,000円。
坪単価にすると約77万円になります。
ミサワホームのスタンダードと言えば、このジニアスです。
蔵のある家はもちろん、3階建てや二世帯住宅など、商品バリエーションが充実しています。
ジニアス「蔵のある家」が1986年に住宅業界初のグッドデザイン賞の大賞を受賞。
その時の坪単価は56.5万円。
現在は65万~75万円/坪が目安の金額です。
注文住宅というよりも、 イージーオーダー的な感覚の家で、基本的な住宅性能は充実しているものの、贅沢な仕様や設備を採用するのではなく、プレーンな状態の住宅を、自分なりにカスタマイズできるようになっています。
制震装置「MGEO(エムジオ)」を装備していて、1階の天井高は2.55~3m。(一般的な住宅の天井高は2.4m)
「蔵のある家」も取り入れられます。
ミサワホームが公表した資料では
延べ床面積40坪で、22,840,000円。
坪単価にすると約57万円になります。
一般的に言われているスマートスタイルの坪安価の目安は、55万~65万円です。
集成材を接合金物で組み立てる、木造軸組工法のブランドです。
2011年に新たに加わった工法で、既にグッドデザイン賞も受賞しています。
ミサワホームが公表した資料では
延べ床面積68坪で、41,922,000円。
坪単価にすると約62万円になります。
ホームページ上でプランとインテリアを選び(ある程度のカスタマイズは可能)
見積価格や資金計画をシミュレーションする事ができます。
ウェブ上でプロに相談する事もでき、ホームページ上にはバーチャル展示場も用意されています。
ミサワホームのサイト上の一例を見てみると、
延べ床面積39.82坪で23,554,800円。
坪単価は59.1万円となっています。
※2019年10月に販売終了となりました
重量鉄骨造で「ニューセラミック」という外壁材を採用したブランドで、グッドデザイン賞も受賞した商品だったのですが、販売終了となってしまいました。
バリエーションがとても多く揃っていて、価格帯の幅も広く、低価格のものは坪単価50万円、高価格のものは坪単価80万円超。
ミサワホームが公表した資料では
延べ床面積45坪で、22,747,000円。
坪単価にすると約50.5万円になります。
ミサワホームの販売の特徴はディーラー制です。
自動車業界と同じようにエリア別に代理店が販売するスタイルになっています。
代理店はミサワホーム直轄ではなく独立しているので、
代理店によって格差が生じているようです。
私の印象では、
ミサワホームの営業マンは住宅の知識が浅く、基本的な質問をしても
答えられないことが多々ありました。
他の地域の代理店だと、もしかしたらそんな事は無いのかも知れません。
ただ、打合せの際は、設計専門のスタッフが同席し、
営業マンの力量不足をフォローしていました。
また、設計スタッフはプレゼン手法が巧みで、 素人にも分かりやすい提案をします。
プレゼンが上手なだけに、
それほどたいしたことのないプランであっても、良く見えてしまう可能性もありますので、
その辺りは慎重に判断しましょう。
ただし、それは京都で私が見聞きした事なので、
打合せのプロセスは代理店によって全く違うかも知れません。
なお、ミサワホームは、自由設計とは謳っていますが、
実際にはプラン上の制約が多く、 希望したプランができない場合も多々あります。
ミサワホームを選ぶ方は、蔵のある家や
他社とは違う、シンプルで独特な内装を気に入ったという方が多いようです。
1996年に「GENIUS 蔵のある家」が、住宅業界で初めてグッドデザインの大賞を受賞して以来、グッドデザイン賞の常連となっていて、商品の開発力に優れている事を覗わせます。
また、営業マンからは南極の昭和基地の建物の9割は
ミサワホームが建てたという営業トークがあり、モデルハウスには、それを説明するパネルが展示されています。
扱っている工法は、木質パネル工法、木造軸組工法。わずかですが、都市部をターゲットとした重量鉄骨造の商品もあります。
主力は木質パネル工法です。
ちなみにZEH(ゼロエネルギー住宅)の断熱基準は次のようになっています。
ミサワホームの売上の9割を占める木質プレハブは、
ツーバイフォー工法と同じように力を床、壁、天井の面で分散させるモノコック構造になっています。
ツーバイフォー工法の場合は
工場で製作した木質パネルを丸釘で接合していきますが、
ミサワホームの場合は接着剤とスクリュー釘で接合して組み立てるので、より強固な一体構造になります。
ただし、基礎は布基礎が標準仕様になっています。
上物が面で支える構造であれば、
基礎も面で支えるベタ基礎にすべきではと思うのですが、いかがなものでしょう。
「蔵のある家」を採用すると
1階と2階の間に、天井高1m40cm以内の収納を設けた間取りになります。
階段の踊り場などから荷物の出し入れをします。
一般的な小屋裏収納とは違い
1階からも2階からもアクセスしやすいので、
普段使いのできる、利用頻度の高い収納になる事がメリットです。
収納の面積は1階の2分の1未満と法律で決められているので、
残りの2分の1を使って、リビングやダイニングの天井を高くする事ができます。
色々とメリットのある「蔵のある家」ですが、価格のアップというデメリットもあります。
延床面積40坪の家で、普通の2階建て住宅に比べ、100~200万円ほどのアップになるでしょう。
蔵のある家の断面
ミサワホームでは「MGEO(エムジオ)」という制震装置を
オプションで用意しています。
最大で地震の揺れを1/2に低減し、
価格は1棟当たり約50万円ほどです。
ミサワホームで建てる人の半数は、この「MGEO」を採用するようです。
しかし、ミサワホームの家は木質パネルのモノコック構造です。
つまり、地震で揺らされても、建物は変形しにくい構造なのです。
実は、制震装置というのは、
建物が変形することをを利用して、地震の揺れを吸収するのです。
もちろん、ミサワホームの「MGEO」も同じです。
私にはなぜ「MGEO」という制震装置が有効に働くのか、 今一つよくわからないのですが、一応、実物大の建物で実験もしているようなので、確かなのでしょう。
免震装置を設置する場合は敷地の制約をかなり受けますし、価格も高いですが、
その点、「MGEO」のような制振装置であれば、その辺りは有利です。
ミサワホームの制振装置
ミサワホームでは家の中の空気環境を整えるエアテリアというシステムが用意されています。
全館空調と全熱交換の換気システムの組合せの他に
プラズマクラスター発生機を設置して
抗アレル内装材で壁と床を仕上げる事で
温熱環境だけではなく、ハウスダストや花粉などのアレルギー対策もしています。
アレルギー体質の人は採用を検討しても良いかも知れませんね。
標準で、省エネ機銃で最も等級の高い温熱等級4をクリアしています。
断熱材は16K高性能グラスウールで、90ミリ厚の壁パネル一杯に入っています。
オプションで120ミリ厚のパネルに変更が可能で、更に断熱効果を高める事ができます。
パネルの内部は格子で仕切られているので、グラスウールが自重でずれるような事がありません。
サッシは標準でアルウッドサッシ。(屋外側がアルミで、屋内側がMウッド)
ガラスはLOW-Eペアガラスで、アルゴンガス入りが標準となっています。
オプションで樹脂ウッドサッシにトリプルガラスに変更することもできます。
標準仕様よりも断熱性能をアップして、太陽光発電とエコジョーズのような高効率給湯器を設置する事で、「低炭素建築物」の認定基準に対応する事が可能になっています。
「低炭素建築物」の認定を受けると、税制や融資の優遇措置があります。
ところで、ミサワホームでは気密測定をしていません。
ミサワホームの家を気密測定した事のある人に聞くと、あまり良い数値ではなかったとの事でした。
躯体の構造としては気密性能を出しやすい 工法なので、できれば、気密にも配慮してもらいたいですね。
ミサワホームの家の遮音性能は外部の騒音が75dBの場合、40dBに減音されます。
75dBは交通量の多い交差点レベルの騒音。
40dBは静かな公園レベルになります。
外部からの遮音に関しては、特に優れている訳ではありません。
ミサワホームの場合、居室を間仕切る壁にも吸音材(グラスウール)が入っていて、家の中でプライバシーが守りやすいようになっています。
上下階の遮音は標準仕様でD-40(40dBの減音)です。
オプションで、下階の天井に石膏ボード(12.5ミリ厚)を2枚張りにする事で、D-50(50dBの減音)の遮音性能にする事ができます。
他のハウスメーカーでも防災や減災を家づくりに取り入れたモデルを用意していますが、ミサワホームの「MISAWA‐LCP(Life Continuity Performance)」は他社より一歩先を行っているかも知れません。
基本的な考え方は「備える」「守る」「支える」という3段階の解決方法からできています。
それぞれの段階に則して、次の様な装備や仕様を標準搭載としたデザインモデルになっています。
ミサワホームの口コミの記事は別ページです。
下記よりご覧ください
ミサワホームの歴史の記事は別ページです。
下記よりご覧ください
以前仕事で、申請されている特許を調べる機会がありました。
するとミサワホームが申請した特許が結構多い事に驚きました。
実際に商品化されていない特許がほとんどでしたが
ミサワホームの開発部門の頑張りを感じます。
それにしても、ミサワホームの営業マンの知識に関しては難があります。
もしかして、これはディーラー制の弊害かも知れません。
代理店は販売だけに特化しているため、
技術的な面においては、弱くなってしまうのではないでしょうか。
京都で調査しただけなので、他の地域では違うかも知れません。
試しに、グラスウールや換気システムについての質問をしてみて、
技術的知識がどうか確かめてみてください。
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