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今はどこの現場でも、プレカットされた木材が搬入されてきますので、 木造住宅の場合、床組みを始めてから2~3日で上棟してしまいます。
昔のように大工さんが木材を手刻みしていた頃は、長い時間をかけて、じっくり家を建てていましたが、スピードアップされた分、単純なミスの発生する確率も高くなります。
このページでは木造住宅の上棟の前後でのチェックポイントをご紹介します。
チェックしなければならないポイントは沢山ありますが、ここでは誰でも簡単に確認できる箇所についてお伝えします。
目次
木造住宅の構造部材の全てに名前が付いています。
でも、聞きなれない名前がほとんどでしょう。
もし、部材の名称や役目など、詳しく知りたい時には、各部材の名称について解説しておきますので、ここでお調べください。
各部材の詳しい説明は下記よりご覧ください。
木造住宅の8割ほどが軸組み工法(在来工法)で、2割がツーバイフォー工法です。
このページで紹介するチェックポイントは、どちらの工法でも共通して当てはまります。
動画長さ 2分00秒
木造軸組工法(在来工法)の床組みをしている現場の様子です。
床組みのチェックポイントを解説する動画です。
動画長さ 2分44秒
上棟を終え、屋根工事を終えた段階の現場です。
補強金物の取り付けも完了し、チェックしている様子の動画です。
土台は基礎から出ているアンカーボルトによって固定されます。
その際、写真のように
土台の中央にアンカーボルトを設けるのが理想です。
しかし、住宅の施工にはセンチ単位で誤差が生じます。
なかなか、すべてのアンカーボルトが
土台の中心に来るようにするのは難しいです。
この中心からのズレに関して、
その許容範囲に関する規定はありませんが、
当然、ズレが大きすぎると、強度は低下します。
写真のようなズレが、数か所程度であれば
許容範囲としてみなすことはできるでしょう。
もし、右中の写真よりも、もっとズレが大きかったり、
数多くある場合は、
何らかの方法で手直しが必要です。
また、右の上2つの写真に写っているナットは
ボルトの頭が出なくても良いタイプのものですが、
右下のナットの場合は
ネジを3山以上、出さなくてはなりません。
更にツーバイフォー工法の場合は
右下の写真のような座掘りが必要となります。
この座掘りは通常2センチ程度の深さですが、
あまり深すぎると強度が低下します。
座掘りの深さに関する規定はありませんが、
深くても、3センチまでに抑えるべきでしょう。
ツーバイフォー工法の場合、壁、床、屋根に
構造用合板を釘止めすることで強度を出しています。
最近では、軸組み工法(在来工法)でも、
構造用合板で強度を出すようになってきました。
構造用合板を使う場合、
釘の間隔が広すぎると充分な強度が得られません。
釘のピッチは15センチ以内にでなければなりません。
また、合板の端から1センチ以上離して釘打ちすべきです。
端過ぎると、やはり強度が得られません。
一般的に釘打ち機を使って釘止めしますが、
圧力が強すぎると、釘は大きくめり込んで、充分な強度が得られなくなります。
木造住宅には非常に多くの種類の補強金物が使われています。
次の写真はそのごく一部です。
ひねり金物‥垂木と軒桁を接合
ひら金物‥‥柱と桁(梁)を接合
コーナー金物‥床と柱を接合
筋交い金物‥柱と筋交いを接合
ひねり金物
ひら金物
コーナー金物
筋交い金物
補強金物にはビスで止めるための穴が開いています。
基本的には、それらの穴のすべてを使って、ビス止めをしなくてはなりません。
私は過去に何十件、家を建ててきましたが、しっかりと止められていない金物を3回ほど発見したことがあります。
めったにある事ではありませんが、もし、しっかり止められていない金物を発見したら、その現場は施工状況のチェック機能がうまく働いていない可能性が高いです。
大工さんは図面と照らし合わせながら補強金物を1つ1つ取り付けて、その都度、確実に止めていきます。
とりあえず仮止めをしておいて、後からしっかり止める‥‥というようなことはしません。
金物を取り付けている途中で、誰かに呼ばれたり、携帯電話が鳴ったりして作業が中断し、そのまま止め忘れてしまう事は充分に有り得ます。
それをフォローするのが現場監督です。
金物の止め忘れのような基本的な事を先に施主に発見されてしまうようでは、現場監督として失格です。
他にも、施工の不備があると思った方が良いでしょう。
ところで、基本的に金物は全ての穴を使ってビスや釘で止めますが、中には余分に穴が開いているものもあります。
筋交い金物は、専用ビス6本で止めるようになっていますが、穴は8か所開いています。
このような金物の場合、他の同じ金物がどのように止められているのかを見て、全て同じ止め方がされていれば、 問題ない事がすぐに分かります。
それでも念のため、その止め方で間違いないのか、現場監督に確認してみると良いでしょう。
屋根の防水のために屋根材の下に
防水シート(アスファルトルーフィング)を
張ります。
特に2階の壁と下屋の取り合い部分は
要チェックです。
雨漏りがしやすい箇所なので、
防水シートを25センチ以上立ち上げる必要があります。
また、破れていたり
穴が開いている事も多々あります。
以上、ここでご紹介したチェックポイントは、住宅の専門知識がなくても簡単に確認できます。
ひじょうに基本的なチェックポイントなので、もし不具合があれば
その施工会社の家づくりの姿勢を疑った方がいいです。
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