市街地の防火関係地域|防火地域・準防火地域・法22条区域



 

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防火地域・準防火地域・法22条区域

 

防火地域や準防火地域、法22条区域は市街地の火災の危険を防除するため定められた地域や区域です。

どの様な場所に指定されているのか?その調べ方や規制の内容、また防火地域と準防火地域がまたがっている場合など、わかりやすく解説します。

 

この記事は建築申請memo(新日本法規出版)を参考に作成しました

 

 

 

 

 

 

 

防火地域と準防火地域とは何か?

 

防火地域と準防火地域は、都市計画で指定される地域で、火災を防止するための建築制限が定められています。

 

 

 法律ではどうなっている?

 

市街地では防火地域や準防火地域に指定されている事が多いです。

防火地域と準防火地域について、都市計画法では次のように定められています。

防火地域又は準防火地域は、市街地における火災の危険を防除するため定める地域とする。

※都市計画法 第9条21項

 

また、建築基準法では次のように定められています。

防火地域又は準防火地域内にある建築物は、その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火戸その他の政令で定める防火設備を設け、かつ、壁、柱、床その他の建築物の部分及び当該防火設備を通常の火災による周囲への延焼を防止するためにこれらに必要とされる性能に関して防火地域及び準防火地域の別並びに建築物の規模に応じて政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。ただし、門又は塀で、高さ二メートル以下のもの又は準防火地域内にある建築物(木造建築物等を除く。)に附属するものについては、この限りでない。

※建築基準法 第61条

 

簡単に言うと、防火地域や準防火地域の建築物は、火災の際、周囲への延焼を防止するために一定の防火性能が備わっていなければならないという事です。

 

 

 

 どんな場所に指定されているのか?

 

では、防火地域や準防火地域は、どんな場所に指定されているのでしょうか?

防火地域は駅前や幹線道路沿いなど、市街地の中心部となる繁華街に指定されている場合がほとんどです。

準防火地域は、防火地域の外側に比較的広範囲に指定されています。

 

市街地の防火関係地域について
防火地域と準防火地域と法22条区域

 

建物が密集し、人が集まる場所での火災の被害を防除し、消防車や救急車などの通行を確保する事を目的として防火地域や準防火地域が指定されています。

また、防火地域と準防火地域の更に外側は法22条区域が指定されています。

 

 

 

 

 

 

防火地域と準防火地域の調べ方

 

家を建てようとしたら、真っ先にその土地の用途地域を調べるのと一緒に、防火地域や準防火地域に指定されているかどうかを調べなければなりません。

調べるためには都市計画図を見ます。各自治体のホームページで都市計画図を閲覧できるようになっているので、「防火地域」+「市町村名」で検索してみてください。

都市計画図の掲載の仕方は各自治体によって様々ですが、例えば次の様な形で調べられるようになっています。

 

 

都市計画図の例

自治体の用途地域のサイト

 

これは東京都杉並区の例ですが
該当する敷地を地図上でクリックすると、その場所にマーク(旗印)がついて、その土地の情報が表示されます。

この例の場合は準防火地域に指定されている事がわかります。

 

 

 

 

防火地域と準防火地域の違い

 

 

 防火制限の厳しさによる違い

 

建築申請memoには防火地域と準防火地域について次のように記載されています。

火災発生の際、防火地域ではその火災が他に及ばないこと。また、準防火地域では延焼速度を遅くし、市街地の防火に役立てようとするものである。

※建築申請memoより

 

防火地域と準防火地域以外にも、先述した法22条区域があり、これら防火制限の厳しさを順番に並べると・・・

防火地域 > 準防火地域 > 法22条区域

となります。

 

 

 防火地域の制限の内容

 

延べ面積が100平方メートル超の全ての建築物と、
延べ面積が100平方メートル以下でも3階建て以上の建築物は耐火建築物または延焼防止建築物にしなければなりません。

100平方メートル以下で2階建て以下の建築物は準耐火建築物または準延焼防止建築物以上の耐火性能が求められます。

 

詳しくはこちら

 

 

 準防火地域の制限の内容

 

4階建て以上の建築物と、延べ面積が1500平方メートル超の建築物は、全て耐火建物または延焼防止建築物にしなければなりません。

3階建て以下で延べ面積1500平方メートル以下の建築物と、
2階建て以下で延べ面積1500平方メートル以下~500平方メートル超の建築物には、
準耐火建築物または準延焼防止建築物以上の耐火性能が求められます。

2階建て以下で延べ面積500平方メートル以下の建築物には、建築基準法施行令「136条の2」の3号と4号に定められた構造制限が課せられます。

 

詳しくはこちら

 

 

 法22条区域の制限の内容

 

法22条区域は防火地域や準防火地域より制限はかなり緩やかです。

建築基準法では次のように記載されています。

特定行政庁が防火地域及び準防火地域以外の市街地について指定する区域内にある建築物の屋根の構造は、通常の火災を想定した火の粉による建築物の火災の発生を防止するために屋根に必要とされる性能に関して建築物の構造及び用途の区分に応じて政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。ただし、茶室、あずまやその他これらに類する建築物又は延べ面積が十平方メートル以内の物置、納屋その他これらに類する建築物の屋根の延焼のおそれのある部分以外の部分については、この限りでない。

※建築基準法 第22条

 

建築基準法第22条の要約

条文を見ても何を言っているのか分かりにくいですね。

簡単に言えば、法22条区域とは、屋根に不燃材を使用して造るように求められた区域という事です。

不燃材というのはコンクリート、レンガ、瓦、鉄鋼、アルミニウム、窯業系スレート、ガラス、しっくい、などの材料になります。

また第23条で、木造住宅は屋根だけでなく外壁に対しても、延焼の抑制に一定の効果を発揮させる事が求められています。

 

 

 

 

 

 

防火地域と準防火地域がまたがる場合

 

防火関係の異なる地域や地区が、一つの建物にまたがる場合が多々あります。

例えば次の様な場所です。

防火地域と準防火地域の地図

地図の赤色が防火地域で、黄色が準防火地域です。

火災の際に、消防車や救急車などの通行を確保するために、幹線道路沿いの道路境界から11mの幅で防火地域が指定させています。
この様な場所では、1つの建物が防火地域と準防火地域をまたいでいる状況が発生します。

 

建築基準法では「建築物が防火地域又は準防火地域の内外にわたる場合の措置」として、次のように定められています。

  1. 建築物が防火地域又は準防火地域とこれらの地域として指定されていない区域にわたる場合においては、その全部についてそれぞれ防火地域又は準防火地域内の建築物に関する規定を適用する。ただし、その建築物が防火地域又は準防火地域外において防火壁で区画されている場合においては、その防火壁外の部分については、この限りでない。
  2. 建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合においては、その全部について防火地域内の建築物に関する規定を適用する。ただし、建築物が防火地域外において防火壁で区画されている場合においては、その防火壁外の部分については、準防火地域内の建築物に関する規定を適用する。

※建築基準法 第65条

 

 

防火地域、準防火地域、法22条区域など、異なる防火関係の地域や地区が一つの建物にまたがる場合は、制限の厳しい方が、その建築物全体の制限として適用されます

自治体の用途地域のサイト

上記の図では、建物に防火地域と準防火地域がまたがる場合の例で、防火地域の方が厳しいので、建物全体の制限は防火地域が適用されます。

面積比は関係ありません。わずかでも建物が防火地域にかかっていれば、建物全体に防火地域の制限が適用される事になります。

 

ただし、制限の緩やかな方の敷地側に防火壁を設けると、その防火壁から先は緩い方の制限が適用されます

自治体の用途地域のサイト

上記の図の例では、建物の防火壁から右側は準防火地域が適用される事になります。

 

また、1件の建物ではなく、図の様に2件の建物を建てた場合、建物の位置により適用される制限が違ってきます

自治体の用途地域のサイト

防火地域内に納まるように建てた建築物は防火地域の制限が適用され、準防火地域内に納まるように建てた建築物は準防火地域の制限が適用される事になります。

 

 

防火地域と準防火地域について、更に詳しくはこちらをご覧ください。

 

他の建築法規についてはこちら

 

 

 

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