建ぺい率の計算|算入するもの・緩和の措置



 

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建ぺい率の計算

 

建ぺい率の計算の際、何を算入し、何を算入しないのか?
一つの敷地に複数の用途地域がまたがっている場合は、建ぺい率をどのように計算したらよいのか?

また、敷地の状況によっては、建ぺい率が緩和される場合があります。

建ぺい率の計算の仕方について、わかりやすくご紹介します。

この記事は建築申請memo(新日本法規出版)を参考に作成しました

【目次】建ぺい率・容積率


 

 

 

 

 

 

 

建ぺい率の計算方法と緩和のルール

 

建ぺい率の具体的な計算方法と、考慮すべきルールをご案内します。

 

 建ぺい率の計算式

建蔽率は投影面積

 

建ぺい率は、敷地に対して、
建物の投影面積(建築面積と言います)が占める割合です。

計算式は

建ぺい率=
 建築面積÷敷地面積

‥‥ で算出します。

算出した数値が、そのエリアに設定されている建ぺい率の上限を超えて建築する事はできません。

 

 

 建築面積とは何か?

2階が大きい場合の建ぺい率

 

建ぺい率の計算には、建築面積を算出しなければなりません。
建築面積は「建物の投影面積」です。

投影面積なので、もし2階の方が1階より大きい場合は、2階の面積が建築面積となります。
そして、基本的には(軒の出が外壁より1m以内の場合)屋根の軒の出は無視して計算します。

 

柱芯で計算する

建築面積を算出する際は外壁の外側ではなく、柱や壁の中心を基準として寸法を追っていきます。

図面で記載されている寸法が柱や壁の中心を基準としていますので、図面の寸法からそのまま算出すれば良いです。  

 

 

 建ぺい率に算入するモノ、算入しないモノ

 

建ぺい率の計算で使う建築面積に算入するモノと、しないモノの代表的なモノをご紹介します。



■算入するモノ

 
● 外部階段

外部階段は屋外なので不算入だと思われがちですが、算入しなければなりません。
(延床面積では不算入になります)
二世帯住居などで、外部階段を設ける場合は、注意が必要です。

● 外壁より1m以上出た、バルコニー・屋根・庇

先端から1mを超える部分は、面積に入ります。
例えばバルコニーの出幅が1m20cmだった場合は、20cm分を算入しなければなりません。

 


■ 算入しないモノ

 
●出窓

床から30センチ以上の高さの位置で、
壁からの出が50センチ以下の「出窓」は算入されません。

 

 

 

 

 

 

 建ぺい率の緩和

 

建築基準法では「特殊な場合の建ぺい率」として、次の場合は建ぺい率が緩和される事になっています。

 

1. 角地に建築物を建てる場合

2つの道路に接している敷地、いわゆる角地に建築物を建築する場合は、建ぺい率の上限を10%緩和できます。
例えば建ぺい率の上限が60%と指定されている場合は、70%まで緩和されます。

2. 防火地域内に耐火建築物を建築する場合

用途地域が商業地域以外の地域で、防火地域に耐火建築物を建てる場合、建ぺい率を10%緩和できます。
もし、商業地域の場合は建ぺい率の制限が無くなります。つまり、建ぺい率100%になります。

3. 上記1と2の両方に該当する場合

角地で、しかも防火地域に耐火建築物を建てるとしたら、建ぺい率は20%の加算になります。
例えば建ぺい率の上限が60%と指定されている場合は、80%まで緩和されます。

 

 

 用途地域がまたがる場合の建ぺい率の計算

 

建築基準法では建ぺい率について次の様な記載があります。

建築物の建蔽率に関する制限を受ける地域又は区域の二以上にわたる場合においては、当該建築物の建蔽率は、同項の規定による当該各地域又は区域内の建築物の建蔽率の限度にその敷地の当該地域又は区域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計以下でなければならない。

建築基準法 第53条2項

 

たまに一つの敷地内に複数の異なる用途地域がまたがっている事があります。
その様な場合、建ぺい率の上限は、それぞれの用途地域の面積比で案分して算出しなさいという事です。

では、具体的に計算してみましょう。

 


■ 建ぺい率の計算例

複数の用途地域がまたがっている例

図の様な敷地があったとして、建ぺい率の上限の計算式は次のようになります。

建ぺい率=(Aの面積×Aの建ぺい率+Bの面積×Bの建ぺい率)/敷地全体の面積

  • Aの面積は80㎡
  • Aの建ぺい率は80%ですが、敷地が角地なので10%加算されて90%になります。
  • Bの面積は120㎡
  • Bの建ぺい率は60%ですが、敷地が角地なので10%加算されて70%になります。

それぞれの数字を式に代入します。

建ぺい率=(80×0.9+120×0.7)/(80+120)= 156/200 =0.78

という事で、この敷地の場合は建ぺい率78%までの建築物を建てる事ができます

 

 

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他の建築法規についてはこちら

 

 

 

 

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