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窓の事はプロの設計者に任せておけば大丈夫だと思うかも知れませんが、そうとは限りません。
窓は法律による制約が多いですし、外観デザインに与える影響や間取りの使い勝手にも大きく影響を与えます。
実は窓の扱いはプロでもとても難しいのです。
ここでは注文住宅のプランを作成する際の窓の失敗を回避するために、どう自衛したら良いかを解説します。
目次
間取りの事で頭が一杯になってしまって、窓の事まで頭が回らないのでは?
でも、窓の事はプロの設計者に任せておけば間違いないでしょと思われるかも知れません。
ところが案外そうは行かないものなんです。
ではどうしたら失敗を回避できるのでしょうか?
ぜひ動画をご覧になってください。
動画長さ:11分08秒
以下、動画の内容を文字にしてありますので、文字の方が良いという方はこちらをご覧ください。
プランを作成する際、間取りの事で頭が一杯になって窓の事まで考えが及ばないというケースはとても多いです。
まず窓にはどんな役割があるのでしょうか?
最も重要な役割は採光です。
建築基準法でも居室の採光について基準が定められています。
そして、通風。
換気のために部屋の中へ風を取込むという役割もあります。
ただ外の空気は花粉やPM2.5とかで綺麗とは言えません。
高断熱高気密住宅で換気システムが付いていれば、窓から入ってくる空気より換気システムのフィルターを通した空気の方が健康には良いです。
また、外の景色が良ければ、それを眺めるというのも、窓の役割の1つです。
京都市内のこちらのお宅では、窓から比叡山が見える様に設計しました。
実はプランを作成する際、窓の扱い方は複雑でとても難しいです。 窓の事をしっかり考えずに、何となくプランを作成してしまうと、大失敗してしまう事になります。 はたして窓でどんな失敗をしてしまうのか? そしてどうしたら失敗を回避できるのか? 施主ができる自衛方法ご案内します。
窓の事で設計者が真っ先に気にしなければならない事があります。それは居室の採光です。
建築基準法では居室の採光について一定の基準が定められています。
採光の基準をクリアするために必要なのが、まずは窓の大きさ。
そして隣地境界から軒先までの距離。
それと軒先から窓の中心までの高低差も加味して採光面積を計算する事になっています。
詳細は割愛しますが広い敷地で家の周りに余裕があれば、まず問題ありません。
しかし、家が隣接している都市部では採光の基準をクリアするのが、すごく難しいケースがよくあります。
設計者が採光の基準をクリアする事で頭がいっぱいになって、それ以外の事に気が回らない事は充分あり得ます。
例えばこのLDKが採光の基準を何とかクリアできたとします。
この部屋を内観パースで見るとこの様になります。
ひじょうにオーソドックスで、特に問題はない様に思われるかも知れません。
しかし、ここに家具を置いてみると問題が浮かび上がってきます。
このLDKに家具を置くとしたら、この様に配置できたら良いですね。
でもこの状態で内観パースを見るとこうなります。
採光を確保するために窓を大きくしたため、テレビが窓に被ってしまいます。
かといってテレビの場所を変えても、やはり窓に被ってしまいます。
ですから、ハイサイド窓にするとか、窓に被らない方法を考えなければなりません。
もし、その事に貴方が気が付かなければそのままになってしまいます。
家具が窓に被ってしまう様な失敗を回避するためには、平面図に表記されている窓の大きさと高さ関係を確認する必要があります。
表記の仕方は住宅会社によって違いますが、概ねこんな感じです。
TSというのは凡例を見るとトステムのシンフォニーというシリーズだという事が分かります。
ちなみに、この図面は15年以上前の図面なので、現在このシリーズは生産終了になっています。
LCというのは凡例を見ると遮熱高断熱複層透明ガラス、つまりLOW-Eペアガラスの透明を意味します。
問題は真ん中のアルファベットと数字の組合せです。
アルファベットは窓の種類で、Fは凡例を見ると、FIX窓を意味しています。
もし、Hであれば引き違い窓という事になります。
ここまでは住宅会社によって表記の仕方が違います。しかし、次の5桁の数字はどこも共通です。
5桁の数字は窓の大きさを表しています。
最初の3桁は窓の幅寸法で、160は160cmになります。
もし、幅が90cmであれば090と表記します。
後の2桁は窓の高さ寸法で、15は150cm。
もし高さが50cmであれば05と表記します。
そして、RH=2,550というのは窓を取り付ける高さを表していて、 この場合窓の上端が床から255cmの高さになるという事です。
窓の高さ寸法は150cmですから、窓の下端から床までは105cm。
実はこの窓の下にソファーを置くことを想定していてこの寸法になりました。
もし、取り付け高さの表記が無かったら、自動的に窓の上端が床から200cmになります。
そうなると窓の下端から床までは50cmしかないので、ソファーを置くと窓に被ってしまいます。
この様にして窓の大きさと高さ関係をチェックしてください。
家具が窓に被るかどうかだけではなく、安全性がどうかという点も注意してください。
例えばこれはある大手ハウスメーカーが作成した2階の平面図です。
これによると、この窓の幅が243、243cm。
そして、窓の上端の表記が無いので自動的に200cm。
窓の高さ寸法は11、110cmですから
窓の下端から床までの距離が90 cmになります。
実はベランダの手すりとかは、転落しない様に110cm以上の高さにする事になっています。
90cmだと、窓から転落してしまう可能性が高くなります。
1階ならまだしも、2階の窓だと大怪我をしてしまうかも知れません。
できれば2階の窓の下端から床までは110cm以上を確保した方が安全かと思います。
ただ窓の下端から床までは110cmだったとしても、
子供部屋とかでベッドを置くとベッドの上からは70cmになってしまうので注意が必要です。
ところで窓は家の外観デザインに与える影響がとても大きいです。
窓はできるだけ大きさや位置を、揃えるようにすると、この様なスッキリした外観になります。・・・
でも、そんなスッキリとした外観の家ばかりではありません。
街を歩いていると窓の大きさや位置がバラバラでゴチャゴチャした外観になっている家をよく見かけます。・・
平面図上だけで窓の大きさや高さを考えていると、とんでもない外観になってしまうかも知れません。・・
実は先日、当社のサービスを利用されるクライアントに、たたき台としてこの様なプランを提案しました。
クライアントには動画でご紹介する許可をもらっています。
当然私は外観の事を意識しながら間取りを考えていますが、この平面図を見ただけでは外観がどうなるのか分からないですよね。
この平面図から立面図を起こすとこの様になります。
以上、よくある窓の失敗とそれを回避する方法をご案内しました。
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