引違い戸はなぜ右手前なのか?

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サッシの引き違い窓や
屋内の襖や障子の引き違い戸は 戸の前後が決まっています。

ほぼ全てと言っていいほど、右側の戸が手前になっているのです。

大工さんなど、職人さん達の間では
左側の戸を前にすると
「着物の死装束の衿合わせと一緒なので縁起が悪い」
という言い伝えがあり、忌み嫌われていました。
(最近は洋服が普及しているためか
 その言い伝えは耳にしなくなりましたが)

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「なぜ引き違い戸は右手前なのか?」 という問いの答えとして言われているのは
その言い伝えが原因だとされています。

・・・では、その言い伝えがなぜ出来たのか?

この記事を書く時点では、ネット上で色々調べてみたものの、その事への言及はありませんでした。

実は、言い伝え通りに、引き違い戸は右手前にした方が、断然、使い勝手が良いのです。

これは想像ですが、言い伝えよりも以前に 使い勝手が根本的な原因ではないのでしょうか?

 

ではなぜ引き違い戸は右前の方が使いやすいのか・・・

分かりやすく解説いたします。

 

「引違い戸はなぜ右手前なのか?」のメニュー

引き違い戸の右手前のメニュー引違い戸は左側の方が開けやすい

左側の戸の引手に右手を掛けて開ける方が開けやすい。なぜ左側の戸の方が開けやすいのか?

引き違い戸の右手前のメニュー左側の戸を開ける場合は右前が良い

なぜ左側の戸を開ける場合は右前が良いのか?言い伝えは、右手前を普及し定着させるための手段。

引き違い戸の右手前のメニュー恐怖心をあおる事で普及

引違い戸の右前を普及させ定着させる手段としてしての知恵。

 

 

 

 

世の中、8割の人が右利きなのはご存知の通りです。

特に昔の日本では、左利きだと
幼少の内に右利きへと矯正されました。

ですから、戸を開ける際には右手を引手に掛ける人が圧倒的に多いです。

その場合、左側の戸の引手に
右手を掛けて開ける方が開けやすいです。

その事はドア(開き戸)で考えてみるとよく分かります。

ドアノブの右と左

右手でドアを開ける場合
ドアノブはドアの左側についている方が開けやすいです。

逆に、右側に付いているドアノブに
右手を掛けると、開けにくいです。

実際にドアを開け閉めしているところを想像してみてください。
想像するだけでも、その事がよくお分かり頂けるかと思います。

 

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引違い戸の場合もドアほど顕著ではありませんが
左側の戸の引手に右手を掛ける方が開けやすいです。

図のように、
右手で左側の戸を開けると
体が正面を向いてスムーズに通る事ができます。

逆に右手で右側の戸を開けると
体は斜めを向いてしまい、スムーズではありません。

引違い戸を右手で開ける 

引き違い戸を開けようとした場合、
人は自然と左側の戸を開けるようになります。

 

※ただし、正式な作法では、下座側の戸を開ける様になっています。
ですから、右側の戸を開ける場合も多々あります。
また、引手に手を掛けるのも、戸を開ける最初の5センチ程度で
後は戸の縁に手を掛けるようです。

マナーや美しい所作を追求すると、普段の生活での使い勝手とは違ってくるようですね。

 

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右利きの人にとっては、引き違い戸の左側の戸の方が断然開けやすいです。

ですから、人は自然と引違い戸の左の戸を開けて部屋の出入りをするようになります。

そうなると、左側の戸が奥で、右側の戸が手前になっている方が、都合が良いのです。

 

右の戸が手前の場合、
図のように、廊下(図の下側)から居室(図の上側)に入るとしたら

①右手で左側の引手に手を掛けて開けます。

②全開する場合は、途中で戸の縁に手を持ち替えます。

③居室に入り、居室側から引手に手を掛けて戸を閉めます。

 

右手前の引違い戸 

 

いかがでしょうか。 だから何?という感じですよね。

動作の流れがスムーズで、何の問題もありません。

 

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しかし、逆の左側の戸が手前だと、どうでしょう?

図をご覧ください

①右手で左側の引手に手を掛けて開けます。

②引手に手を掛けたままで、全開する事ができます。

③居室側から閉めようとすると・・・あれ?
引手が隠れて、手が掛けられない。

 

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もし、②の時に完全に開けずに途中で止めれば良いのですが、
右側の戸が見えないので、どこで止めたらいいのか分かりにくいですし、
いちいちそんな事を気にしなければならないのは面倒臭いです。

引手が隠れない丁度良いところで止まるように、ストッパーを付けておけば良いと思うかも知れませんが
有効開口幅を犠牲にする事になります。

施工する側からしてみれば
ストッパーを付けるとなれば、その分、手間が増えます。
戸を右手前にするだけなら、何の手間も掛からず簡単です。

 

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想像ですが、
合理的な右前を普及し定着させるための知恵として
理屈で訴えるのではなく
「左前は縁起が悪い」という恐怖心に訴えたのではないでしょうか。

 

昔、子供は親から「ご飯を残すと目がつぶれる」とよく言われました。
1970年以前に生まれた人は覚えがあるのでは?

子供に「食べ物を粗末にしないように」と言い聞かせるよりも
恐怖心に訴えた方が簡単ですし、効果はテキメンです。

それと一緒ですね。

 

ところで、
出入り口の引き違い戸は
右側を開くか左側を開くかは自由なので
開けやすい左側の方を開けるようになります。

しかし、押入の場合は
収納してあるものが、押入の中のどこにあるかによって
開ける方向が決まってくるので、
開けにくい右側を開ける事も頻繁にあるでしょう。

そうなると、右前でも左前でも
それほど使い勝手に差は出ません。

おそらく「左前は縁起が悪い」という言い伝えがあったので
それに合わせて
押入れの引き違い戸も右前になったと想像します。

 

 

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