【相続】遺言書と遺留分|種類と効力



 

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遺言書と遺留分

 

ここでは遺言書と遺留分についての解説をします。

遺産分割でも記載したように、 一般的に遺産は土地や建物、車や宝飾品など、簡単に分け合えない場合がほとんどです。
そこで、後でトラブルにならないように、生前、誰に何を与えるのか意思表示をしておくのが遺言書の主な目的です。

 

 

目次


 

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  ‥‥いくら相続税がかかる?

 

 

 

 

遺言のポイント

 

法定相続より遺言が優先


 

遺産相続では被相続人の意思を尊重するのが原則なので、生前に財産の分配について遺言を残していれば、法定相続よりも優先されます。

そして、その遺言を確かなものにするため、書面にしたものが遺言書です。

 

遺言書の目的

  • 遺産分割の際に争う事のないようにする
    相続人が複数いる場合、不動産や高価な宝飾品、現金や株券など、それぞれを誰にどれだけ相続させるか、予め決めておけば、相続人の間で争う事なくスムーズに遺産分割ができます。
     
  • 法定相続人以外の人にも財産を分ける
    例えば、正妻と死に別れた後に、ずっと寄り添い続けてくれた内縁の妻へ財産を分けたい旨を遺言書に記載しておけば、法定相続人でなくても財産を渡せる。

 

 

遺言が有効となる年齢制限


 

例えば、小学生の子が財産を持っていたとして、遺言を残したとしても有効ではありません。
それは、年齢が低いと、充分な判断能力が備わっていないからです。

遺言が有効となるのは15歳以上となっています。
また、未成年者だからと言って親が遺言書を代筆したとしたら、それは無効になってしまいます。

物品の売買をする場合、未成年者を保護するという観点から、15歳だと親権者の同意を得なければなりません。しかし、遺言の場合は15歳以上であれば本人の意思だけでOKなのです。
なぜなら、15歳以上であれば判断能力はあるし、遺言は死んだ後に効力が発生するので、未成年者だからといって保護する必要がなくなるからです。

 

胎児にも財産を渡せる


 

また、まだ産まれていない胎児にも、遺言で遺産を与える事ができます

例えば、もし被相続人の愛人が、父親の分からない子をお腹の中に宿していたとして、余命宣告を受けた自分の死後に産まれてくるような場合、愛人親子が生活に困らないよう、遺言書を作成して胎児に対し財産を分け与える事ができます。

※胎児は相続税が200万円控除されるので、愛人に直接相続するよりも有利になります。

 

いつでも撤回できる


 

遺言を公開したとしても、いつでも何度でも撤回できます

ですから、遺言書に愛人の胎児に財産を分けると記載したものの、後で「やはり胎児ではなく、愛人自身に分ける事にしよう」と思い直したとしたら、その遺言書を撤回して、また新たに遺言書を書き直しても、何ら問題はありません。

遺言書を新たに書き直せば、その新しい遺言書が有効となります。

 

 

 

 

 

 

遺言書が撤回されるケース

 

古い遺言書よりも、新しい意思表示の方が有効


 

 

遺言は何度でも撤回できますし、その都度、遺言書は何度でも書き直せます。
そして、常に最新の遺言が有効となります。

ただし、最新の遺言書を作成してあったとしても、次のような場合、遺言書は撤回されたとみなされます

 

遺言書の撤回

 

法律では遺言者の最後の意思を尊重することになっています。

例えばAがBに土地を相続させるという遺言書を作成したとします。

しかし、その後にAはその土地をCへ譲渡してしまったとしたらどうなるか?

その場合、遺言書に記載された内容よりも、Cにその土地を所有させる事が、Aの最後の意思とみなされ、遺言書は撤回される事になります。

仮に、その遺言書に
「これが最後の遺言であり、撤回することはない」
と記載されていたとしても、撤回したことになってしまいます。

たとえそれが、自筆ではなく、正式に公証人役場で作成してもらった公的文書の遺言書であっても、 土地を譲渡したという最も新しい意思表示の方が有効となります。

 

 

 

 

 

遺言書の種類と優劣

 

3種類の遺言書


遺言書には次の3種類があり、それぞれメリットとデメリットがあります。

 

◆自筆証書遺言

最も一般的な遺言書で、被相続人が自分で作成する遺言書です。
紙にペンで遺言を書き、捺印すればいいだけなので、費用も掛からずお手軽です。
ただし、内容が曖昧であったり、書き間違えなどで、遺言書が無効になってしまう事が多々あります。

保管方法 被相続人が自分で保管
費用 不要(0円)
証人 不要
家庭裁判所の検認 必要

 

◆公正証書遺言

公証人役場で作成する遺言書です。
相続財産が多額な場合は、公正証書遺言を利用するのが一般的です。
公証人が法律に則って作成してくれるので、確実に有効な遺言書を残す事ができます。

保管方法

原本は公証人
正本は遺言執行者
謄本は遺言者
※正本と謄本は遺言者により決めることが可能

費用

公証人へ数万円~十数万円
(財産の額による)
+証人への支払い

証人 2人必要
家庭裁判所の検認 公証人が作成した文書なので不要

 

◆秘密証書遺言

遺言書の内容を秘密にしたい。亡くなるまで誰にも知られたくない場合に作成する遺言書です。
公証人役場で作成手続きをしますが、遺言書の内容は公証人にも知られずに作成できます。
ただ、あまり利用される事はありません。

保管方法 被相続人が自分で保管
費用 公証人へ11000円+証人への支払い
証人 不要
家庭裁判所の検認 必要

 

 

遺言書の優劣は?


上記の3種類の遺言書の内、最も効力があるのはどれか?

実はどれも効力は同じです。
遺言書の有効性は種類で決まるのではなく、最も後で作成されたものだけが有効で、それ以外の遺言書はどの種類であろうと無意味です。

 

遺言書の検認


被相続人が亡くなって、遺言書を発見あるいは保管していた人が家庭裁判所へ遺言書を提出し、検認という手続きをします

家庭裁判所が相続人立会いの下で遺言書を開封し、内容を確認する事で、遺言書の偽造を防ぐ事ができます。

検認は遺言書が有効か無効かを判断する手続きではありません
相続がスムーズに行われるようにするための手続きです。

なお、公正証書遺言の場合は既に公証人のお墨付きをもらっているので、家庭裁判所による検認は必要ありません

 

 

 

 

遺言書に他人に遺贈すると書かれていたら?

 

誰が相続できるのか?


 

Aが最後の遺言書を残して死亡。
その遺言書には、A所有の土地と建物をCに遺贈すると書かれていた。
そして、Aには息子のBがいる場合、どうなるか?

遺言書の遺贈者と相続人が異なる場合

遺言書が無ければ、相続人であるBが土地と建物を譲り受ける事になりますが、その様な遺言書があれば、土地と建物はCのものになってしまいます。

ただし、それでもCの状況次第でBが相続する事になります。

 

Cが遺贈を放棄した場合

息子のBがその土地と建物を相続する事になります。

※Cは承認も放棄も自由に選択できますが、一度どちらかの意思表示をしたら、後で勝手に撤回することはできません。

 

CがAよりも先に死亡した場合

息子のBがその土地と建物を相続する事になります。
ちなみにCに子供がいたとしても、その子供が代わりに相続する事(代襲相続)はできません。

 

遺言に条件が付いていた場合

条件とは、例えば「Cが成人したら その土地と建物を遺贈する」と言うようなもの。
当然、条件が揃ってから遺言の効力が生じます。
ただし、条件が揃う前にCが死亡した場合は遺言は無効になり、Cに子供がいたとしても、その子供が代襲相続することはできません。

 

 

 

 

遺留分

 

最低限、相続人に保証された取り分


 

例えば、遺言者が 「遺産のすべてを お世話になった老人ホームへ遺贈する」と記載した遺言書を残し死亡した場合、どうなるのか?

遺言で意思表示されていたとしても、法律では最低限の相続人の取り分が決められていて、 それを遺留分と言います。

 

◆なぜ遺留分が決められているのか?

 

遺言者の意思を尊重するのが基本ですが、残された家族の思いも、ある程度尊重してあげましょうという事です。

遺留分という制度がある限り、それを超えて他人に遺贈するような遺言書を作成してしまうと、もめ事の種を作ってしまう事になるので、遺留分の範囲内を考慮しておくべきでしょう。

 

遺留分があるのは、配偶者、子供や孫(直系卑属)、親(直系尊属)までです。
兄弟姉妹が相続人だった場合には遺留分はありません。

遺留分の割合は基本的に遺産の1/2
相続人が親(直系尊属)だけで、配偶者も子供もいない場合は1/3。

 

◆遺留分の例

 

遺言書の遺贈者と相続人が異なる場合

上図の例の場合、遺産の全額である6000万円を老人ホームへ寄付すると遺言して亡くなったとすると、妻と長男、長女は遺産の1/2の3000万円を、 老人ホームから取り返すことができる。

その3000万円の内、1500万円が妻の遺留分で、 長男と長女は750万円ずつが遺留分となり、各自が単独で老人ホームに対し権利を行使できる。

もし、長女が「父親の想いを尊重したい」という場合、被相続人の生前であれば、家庭裁判所に申し立てて遺留分の750万円の権利を放棄する事ができる 。
被相続人の死後であれば、(妻と長男が遺留分の権利を行使したとしても)時効が成立するのを待つことで、自動的に長女の権利が消滅する。

 

 

◆遺留分の時効

遺留分には時効があります。
次のどちらかの期間を過ぎてしまうと、遺留分を請求する事ができなくなってしまいます。

  • 遺留分が侵害されている事を知った日から1年。
  • 相続が発生した日から10年。

つまり、
「相続が発生した日から10年以内であれば、遺留分が侵害されている事に気が付けば、取り戻せます」という事です。

取り戻す場合は、遺留分の侵害を知った日から1年以内に、財産を取得した人に対して、遺留分減殺請求いう通知をします。

 

 

◆どうしても、全てを老人ホームへ寄付したければ‥‥

遺言者が、どうしてもすべての遺産を老人ホームへ寄付したい!
相続人には遺留分も渡したくないという事であれば・・・・

先の例であれば、遺言者が相続人全員の、妻、長男、長女に遺留分を放棄させる必要があります
妻、長男、長女に遺留分を放棄させるためには、 家庭裁判所の許可を得なければなりません。

家庭裁判所では次の要件を考慮した上で、遺留分放棄の許可をするかどうか判断します。

  • 本人の自由意思か?
    誰かに強制されてた訳ではなく、自分の意思である事。
  • 理由に合理性と必要性があるか?
    被相続人(遺言者)のワガママではなく、合理性や必要性がある事。
  • 放棄の代償があるか?
    放棄するに値するだけの代償を相続人が受け取っている事。

相続人が完全に納得した状況になれば、遺産の全額を老人ホームに寄付する事も可能です。

 

 

 

 

 

 

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