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相続税を計算するためには土地の評価額が必要になります。
倍率方式であれば固定資産税と評価倍率で簡単に土地評価額を算出できますが、路線価から評価額を算出する場合の計算式は「路線価の単価×土地面積×補正率」で、補正率を調べるのが結構面倒です。
このページでは図解をしながら補正率について、わかりやすく解説します。
補正率の目次
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土地の平均的な奥行きの距離と比べて、短すぎたり、逆に長すぎたりすると、利用しにくくなります。
そこで、奥行きの距離に応じて評価額を補正します。
図の土地の場合、補正率は
下記「奥行価格補正率表」の
「普通住宅地区」「32m以上36m未満」の欄から「0.93」になります。
200千円×0.93=186千円
186千円×40m×35m=260,400千円
地区区分
奥行距離 (メートル) |
ビル街 | 高度商業 | 繁華街 | 普通商業 併用住宅 |
普通住宅 | 中小工場 | 大工場 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
4未満 | 0.80 | 0.90 | 0.90 | 0.90 | 0.90 | 0.85 | 0.85 |
4以上6未満 | 0.92 | 0.92 | 0.92 | 0.92 | 0.90 | 0.90 | |
6 〃 8 〃 | 0.84 | 0.94 | 0.95 | 0.95 | 0.95 | 0.93 | 0.93 |
8 〃 10 〃 | 0.88 | 0.96 | 0.97 | 0.97 | 0.97 | 0.95 | 0.95 |
10 〃 12 〃 | 0.90 | 0.98 | 0.99 | 0.99 | 1.00 | 0.96 | 0.96 |
12 〃 14 〃 | 0.91 | 0.99 | 1.00 | 1.00 | 0.97 | 0.97 | |
14 〃 16 〃 | 0.92 | 1.00 | 0.98 | 0.98 | |||
16 〃 20 〃 | 0.93 | 0.99 | 0.99 | ||||
20 〃 24 〃 | 0.94 | 1.00 | 1.00 | ||||
24 〃 28 〃 | 0.95 | 0.97 | |||||
28 〃 32 〃 | 0.96 | 0.98 | 0.95 | ||||
32 〃 36 〃 | 0.97 | 0.96 | 0.97 | 0.93 | |||
36 〃 40 〃 | 0.98 | 0.94 | 0.95 | 0.92 | |||
40 〃 44 〃 | 0.99 | 0.92 | 0.93 | 0.91 | |||
44 〃 48 〃 | 1.00 | 0.90 | 0.91 | 0.90 | |||
48 〃 52 〃 | 0.99 | 0.88 | 0.89 | 0.89 | |||
52 〃 56 〃 | 0.98 | 0.87 | 0.88 | 0.88 | |||
56 〃 60 〃 | 0.97 | 0.86 | 0.87 | 0.87 | |||
60 〃 64 〃 | 0.96 | 0.85 | 0.86 | 0.86 | 0.99 | ||
64 〃 68 〃 | 0.95 | 0.84 | 0.85 | 0.85 | 0.98 | ||
68 〃 72 〃 | 0.94 | 0.83 | 0.84 | 0.84 | 0.97 | ||
72 〃 76 〃 | 0.93 | 0.82 | 0.83 | 0.83 | 0.96 | ||
76 〃 80 〃 | 0.92 | 0.81 | 0.82 | ||||
80 〃 84 〃 | 0.90 | 0.80 | 0.81 | 0.82 | 0.93 | ||
84 〃 88 〃 | 0.88 | 0.80 | |||||
88 〃 92 〃 | 0.86 | 0.81 | 0.90 | ||||
92 〃 96 〃 | 0.99 | 0.84 | |||||
96 〃 100 〃 | 0.97 | 0.82 | |||||
100 〃 | 0.95 | 0.80 | 0.80 |
この表は国税庁のHP「奥行価格補正率表(昭45直資3-13・平3課評2-4外・平18課評2-27外・平29課評2-46外改正)」
より引用しました
土地の正面と側面に道路がある「角地」は利便性が良くなるので、評価額も加算して高くなります。
図の土地の場合、加算率は
下記「側方路線影響加算率表」の
「普通住宅地区」「角地の場合」の欄から「0.03」になります。
評価額の単価は、次の式で算出します。
正面路線価×奥行価格補正率+側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率
※正面路線とは、奥行価格補正後の金額の高い方の路線になります。
(上記の例の場合300千円の路線になります)
300千円×0.98+100千円×1.00×0.03=297千円
297千円×20m×30m=178,200千円
地区区分 | 加算率 | |
---|---|---|
角地の場合 | 準角地の場合 | |
ビル街地区 | 0.07 | 0.03 |
高度商業地区 繁華街地区 |
0.10 | 0.05 |
普通商業 併用住宅地区 |
0.08 | 0.04 |
普通住宅地区 中小工場地区 |
0.03 | 0.02 |
大工場地区 | 0.02 | 0.01 |
この表は国税庁の「側方路線影響加算率表(平3課評2-4外・平18課評2-27外改正)」
より引用しました
※準角地とは、一系統の道路が折れ曲がっている内側に位置する土地の事。
正面と裏面の2方向が道路と接していている土地は利便性が良くなるので、評価額も加算して高くなります。
図の土地の場合、加算率は
下記「二方路線影響加算率表」から、
「普通住宅地区」の「0.02」になります。
評価額の単価は、次の式で算出します。
正面路線価×奥行価格補正率+裏面路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率
※正面路線とは、奥行価格補正後の金額の高い方の路線になります。
(上記の例の場合300千円の路線になります)
300千円×0.98+100千円×0.98×0.02=295.96千円
295.96千円×20m×30m=177,576千円
地区区分 | 加算率 |
---|---|
ビル街地区 | 0.03 |
高度商業地区 繁華街地区 |
0.07 |
普通商業 併用住宅地区 |
0.05 |
普通住宅地区 中小工場地区 大工場地区 |
0.02 |
この表は国税庁の「二方路線影響加算率表(平3課評2-4外・平18課評2-27外改正)」
より引用しました
道路と接している間口が狭い「旗竿地」や「狭小地」の様な土地は利用しにくくなるので、間口の距離に応じて補正します。
図の土地の場合、補正率は
下記「間口狭小補正率表」の
「普通住宅地区」「6m以上8m未満」の欄から「0.97」になります。
200千円×0.97=194千円
194千円×6m×10m=11,640千円
地区区分
間口距離 (メートル) |
ビル街 | 高度商業 | 繁華街 | 普通商業 併用住宅 |
普通住宅 | 中小工場 | 大工場 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
4未満 | - | 0.85 | 0.90 | 0.90 | 0.90 | 0.80 | 0.80 |
4以上6未満 | - | 0.94 | 1.00 | 0.97 | 0.94 | 0.85 | 0.85 |
6 〃8 〃 | - | 0.97 | 1.00 | 0.97 | 0.90 | 0.90 | |
8 〃10 〃 | 0.95 | 1.00 | 1.00 | 0.95 | 0.95 | ||
10 〃16 〃 | 0.97 | 1.00 | 0.97 | ||||
16 〃22 〃 | 0.98 | 0.98 | |||||
22 〃28 〃 | 0.99 | 0.99 | |||||
28 〃 | 1.00 | 1.00 |
この表は国税庁の「間口狭小補正率表(昭45直資3-13・平3課評2-4外・平18課評2-27外改正)」
より引用しました
間口に対して奥行きが長い「ウナギの寝床」の様な土地は利用しにくくなるので、 奥行きの距離と間口の距離の比率に応じて補正します。
図の土地の場合、
奥行きと間口の比率は「20m/10m=2」で補正率は
下記「奥行長大補正率表」の
「普通住宅地区」「2以上3未満」の欄から「0.98」になります。
200千円×0.98=196千円
196千円×10m×20m=39,200千円
地区区分
|
ビル街 | 高度商業 繁華街 普通商業 併用住宅 |
普通住宅 | 中小工場 | 大工場 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2以上3未満 | 1.00 | 1.00 | 0.98 | 1.00 | 1.00 | |||
3 〃 4 〃 | 0.99 | 0.96 | 0.99 | |||||
4 〃 5 〃 | 0.98 | 0.94 | 0.98 | |||||
5 〃 6 〃 | 0.96 | 0.92 | 0.96 | |||||
6 〃 7 〃 | 0.94 | 0.90 | 0.94 | |||||
7 〃 8 〃 | 0.92 | 0.92 | ||||||
8 〃 | 0.90 | 0.90 |
この表は国税庁の「奥行長大補正率表(昭45直資3-13・平3課評2-4外改正)」
より引用しました
長方形や正方形ではなく、いびつな形状の土地は利用しにくくなるので、形状の不整形の加減に応じて補正します。
図の土地の場合、
まず、対象の土地の全てが入る長方形を想定します。
その長方形と不整形地の差の部分(かげ地と言います)から、かげ地割合(かげ地面積/長方形面積)を算出します。
下記「不整形地補正率表」の
「普通住宅地区」「A」「かげ地割合30%」の欄から補正率「0.90」。
また、間口が4mなので間口狭小補正率も適用され、更に「0.94」も乗じて計算します。
ですから、0.9×0.94で補正率は「0.84」(小数点第二位未満は切り捨て)になります。
200千円×0.84=168千円
168千円×70㎡=11,760千円
地区区分 | 高度商業地区、繁華街地区、 普通商業・併用住宅地区、 中小工場地区 |
普通住宅地区 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
地積区分 | A | B | C | A | B | C |
かげ地割合 | ||||||
10%以上 | 0.99 | 0.99 | 1.00 | 0.98 | 0.99 | 0.99 |
15% 〃 | 0.98 | 0.99 | 0.99 | 0.96 | 0.98 | 0.99 |
20% 〃 | 0.97 | 0.98 | 0.99 | 0.94 | 0.97 | 0.98 |
25% 〃 | 0.96 | 0.98 | 0.99 | 0.92 | 0.95 | 0.97 |
30% 〃 | 0.94 | 0.97 | 0.98 | 0.90 | 0.93 | 0.96 |
35% 〃 | 0.92 | 0.95 | 0.98 | 0.88 | 0.91 | 0.94 |
40% 〃 | 0.90 | 0.93 | 0.97 | 0.85 | 0.88 | 0.92 |
45% 〃 | 0.87 | 0.91 | 0.95 | 0.82 | 0.85 | 0.90 |
50% 〃 | 0.84 | 0.89 | 0.93 | 0.79 | 0.82 | 0.87 |
55% 〃 | 0.80 | 0.87 | 0.90 | 0.75 | 0.78 | 0.83 |
60% 〃 | 0.76 | 0.84 | 0.86 | 0.70 | 0.73 | 0.78 |
65% 〃 | 0.70 | 0.75 | 0.80 | 0.60 | 0.65 | 0.70 |
この表は国税庁の「不整形地補正率表(平11課評2-12外追加・平18課評2-27外改正)」
より引用しました
※上記のABCは下記「地積区分表」をご参照ください。
地積区分
地区区分 |
A | B | C |
---|---|---|---|
高度商業地区 | 1,000未満 | 1,000以上 1,500未満 |
1,500以上 |
繁華街地区 | 450未満 | 450以上 700未満 |
700以上 |
普通商業 併用住宅地区 |
650未満 | 650以上 1,000未満 |
1,000以上 |
普通住宅地区 | 500未満 | 500以上 750未満 |
750以上 |
中小工場地区 | 3,500未満 | 3,500以上 5,000未満 |
5,000以上 |
この表は国税庁の「地積区分表(平11課評2-12外追加・平18課評2-27外改正)」
より引用しました
敷地内にがけ地があり、利用するのに困難な部分がある場合、がけ地の占める割合に応じて補正します。
なお、がけ地とは傾斜角度が30以上の斜面の事を指します。
図の土地の場合、補正率は
下記「がけ地補正率表」の「0.5以上」「北」の欄から「0.73」になります。
※がけ地の面積が丁度半分なので0.5
※がけ地は北側に向かって下っていると仮定します。
200千円×0.73=146千円
146千円×20m×20m=58,400千円
がけ地の方位
|
南 | 東 | 西 | 北 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
0.10以上 | 0.96 | 0.95 | 0.94 | 0.93 | |||
0.20 〃 | 0.92 | 0.91 | 0.90 | 0.88 | |||
0.30 〃 | 0.88 | 0.87 | 0.86 | 0.83 | |||
0.40 〃 | 0.85 | 0.84 | 0.82 | 0.78 | |||
0.50 〃 | 0.82 | 0.81 | 0.78 | 0.73 | |||
0.60 〃 | 0.79 | 0.77 | 0.74 | 0.68 | |||
0.70 〃 | 0.76 | 0.74 | 0.70 | 0.63 | |||
0.80 〃 | 0.73 | 0.70 | 0.66 | 0.58 | |||
0.90 〃 | 0.70 | 0.65 | 0.60 | 0.53 |
この表は国税庁の「がけ地補正率表(平3課評2-4外・平11課評2-12外改正)」
より引用しました
※がけ地の方位は、斜面の向きによります。
※もし、がけ地の方位が南東などの場合、南と東の平均値を補正率とします。
国や自治体が所有している道路を「公道」と言います。
それに対し、個人や団体が所有している道路を「私道」と言います。
もし、相続の対象となる土地に接している道路が私道の場合、状況によって私道の相続税が発生します。
図の私道の様に、公道と公道の間を通り抜けられるようになっている場合、不特定多数の人が通行する事になります。
そうなると非常に公共性が高くなり、個人が所有している道路であっても、実質は公道みたいなものなので、価格を評価しない事になっています。
つまりこの様な私道については相続税を払う必要がありません。
また、公道から公共性の高い施設をつないでいる私道も、やはり不特定多数の人が通行する事になります。
例えば公園や公民館などが公共性の高い施設になります。
その様な私道についても相続税を払う必要はありません。
分譲地などでよく見かける、行止りになっていたり袋小路になっている私道の場合、ある程度特定された人しか通行しません。
この様な私道は普通の宅地として評価した価格の30%を相当額とします。
路線価方式でも倍率方式でも、一旦、普通の宅地として価格を算出してから30%を乗じます。
数式に当てはめる数値は次の通り
※いずれも普通住宅地区の欄より
各数値を当てはめて計算すると私道全体の評価額は
200千円×0.95×0.97×0.90×0.3×15=746,415円
F宅地が相続の対象と仮定して、F宅地単体での私道の評価額を算出してみましょう。
私道の状況は様々で、一つの区画となっている事もあれば、分筆されてそれぞれの宅地ごとに私道を割り振っている場合もありますが、ここでは最もポピュラーな例で計算してみます。
まず、A宅地とB宅地は公道に接しているので、(地積案分の)対象から外します。
そして、C~Fの宅地の敷地面積の比率で、先ほどの私道全体の評価額を割り振ります(地積案分します)。
F宅地は220㎡なので計算式は
私道全体の評価額✕220㎡/( C~F宅地の敷地面積の合計 )
746,415円✕220㎡/( 200㎡+200㎡+220㎡+220㎡ )
≒195,489円
という事で、F宅地の場合は195,489円が私道の評価額になります。
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