業務内容
住宅業界の情報
家づくりの知識
その他の基礎知識
サイトの管理人
(株)ポラリス・ハウジングサービス
代表取締役 高田公雄
YouTubeチャンネル
家づくりのノウハウがいっぱい
毎週金曜日に動画配信しています。
夫婦2人で使う寝室を一般的には主寝室と呼びます。
間取りを考える際、その主寝室の広さをどのように決めたらいいのでしょうか?
敷地の広さにも予算にも余裕があれば、主寝室をいくらでも広くする事は可能でしょう。
しかし、なかなかそういう訳には行かないのが普通でしょう。
ここでは、主寝室に最低限必要な広さや6畳の場合、8畳の場合でどのような主寝室になるのか、具体例をご紹介します。
主寝室の広さは、どのくらいの広さが適度なのか?
実はまだ誰も知らない法則があるので、ご紹介します。
またベッドをどの様にレイアウトするのが、最も効率が良いのか?
6畳の部屋と8畳の部屋を想定して、実際にレイアウトしてみます。
そのた、やめた方が良いレイアウトがあるので、わかりやすく解説します。
ぜひ、動画をご覧ください。
動画長さ:11分26秒
動画でご紹介している内容は以下の通りです。
世間一般的に、主寝室の広さはどのくらいなのでしょうか?
これまで、当社で手掛けた新築住宅の中の31件を抽出してデータを分析してみました。
抽出した31件は、家族の構成が3人から5人で、主寝室に夫婦2人で一緒に就寝するお宅に絞りました。
夫婦で寝室を別にしていたり、2世帯住宅や特殊な高齢者の住宅、未婚者の住宅などは除外しました。
全体の平均値は延床面積が41.7坪、主寝室の広さは7.67畳でした。
ちなみに主寝室の最小値は5.8畳、最大値は12畳でした。
(延床面積35坪で13.25畳、延床面積65坪で4.5畳の主寝室もあったのですが、異常値として除外しました)
続いて、住宅の規模別に主寝室の広さをみてみましょう。
延床面積(坪) | ~30坪 (平均29.1) |
~35坪 (平均32.4) |
~40坪 (平均37.6) |
~45坪 (平均42.4) |
~50坪 (平均46.7) |
~55坪 (平均52.1) |
55坪~ (平均65.0) |
対象件数 /31件 | 2件 | 5件 | 9件 | 8件 | 2件 | 2件 | 3件 |
主寝室の平均(畳) | 6.10 | 6.92 | 7.48 | 7.80 | 8.25 | 8.50 | 9.48 |
上記の表を散布図にすると次のようになります。
当然ですが、住宅の規模に比例して、主寝室も広くなる傾向にあります。
どんな割合で比例しているのか、近似曲線を表したのが「赤い点線」で、次の計算式で計算すれば、建物の延べ床面積に対する平均的な主寝室になります。
主寝室の広さ = 0.087 × 延床面積 + 4
もし、延床面積が40坪であれば、
「0.087 × 40坪 + 4 = 7.48畳」が平均的な主寝室の広さになります。
ご自身のお宅の規模に対して、どのくらいの面積が適当なのか、ご参考にして頂ければ幸いです。
実際は人それぞれ、ご自身の価値観や使い勝手に従って主寝室の広さを決めたら良いかと思います。
和室に布団を敷いて・・・という事であれば、布団が多少重なってもいいですし、3畳の広さでも、夫婦2人で寝ることは可能です。
しかし、洋室にベッドで寝るという事であれば、そのような訳には行きません。
間取りを考える上での基本は家具のレイアウトです。
まずは最もメインの家具であるベッドのサイズを把握した上で、レイアウトを考えながら部屋の広さを決める必要があります。
ベッドの高さは
マットレスの厚さにより多少変わりますが、概ね400mm前後です。
ベッドの長さは、一般的なマットレスのサイズと同じ1950mm。
ヘッドボードがある場合は、デザインによりますが、概ね2100mmほどになります。
ベッドの幅の寸法については色々なサイズがあり、名称も決まっています。
ヘッドボードとは次の図の箇所になります。
ベッドはマットレスの幅の寸法により、次の一覧のような名称になっています。
サイズの名称 | 幅の寸法 |
---|---|
シングルベッド | 970mm |
ワイドシングルベッド | 1100mm |
セミダブルベッド | 1220mm |
ダブルベッド | 1540mm |
クィーンベッド | 1700mm |
キングベッド | 1940mm |
※ベッドメーカーによって、サイズ(寸法)は多少異なります。ここに記したマットレスのサイズ(寸法)は、フランスベッド株式会社のものです。
ベッドのサイズや配置の基本について、こちらで分かりやすくご紹介しています。
シングルベッド2台の場合とダブルベッドの場合で、
どのような主寝室のレイアウトになるのか見てみましょう。
ベッドの長さは2,100mmとして、部屋の寸法は3尺(910mm)をモジュールとして設計するものとします。
また、図の右側に廊下があるという設定で、ベッドのレイアウトを考えてみます。
主寝室は寝るだけの部屋と割り切った場合、できるだけ小さくするとしたら、どのくらいの広さになるのでしょうか?
次の図が、シングルベッド2台を使う場合の最小寸法の主寝室になります。
人が通るスペースとして50センチは必要になります。
更に、ベッドを壁にピッタリと付けてしまうと、掛け布団が収まらなくなってしまうので、10センチ程度の隙間を空けるようにします。
すると部屋の横は柱の芯で9尺(2,730mm)になります。
部屋の縦は、ベッドの頭側を上の壁に寄せて、足元側に50センチのスペースを取ることで、クローゼット扉を開け閉めできて、通路としても使えるようになります。
この場合、部屋の縦も柱芯で9尺(2,730mm)になります。
ただし、部屋の出入り口のドア(開き戸)は外開きにするか、図のような片引き戸になります。ただし、居室の開き戸は内開きにするのが一般的なので、片引き戸という事になります。
という事で夫婦2人の寝室を最小寸法で設計するとしたら、ベッド以外の家具を置くことはできませんが、部屋の広さは畳数でいうと4.5畳になります。
ダブルベッドの場合もシングルベッド2台の場合と同様に4.5畳が最小寸法になります。
次の図が、そのレイアウトです。
4.5畳ダブルベッドを置くと両サイドの壁との間が50センチ強、ベッドの足元側に約50センチのスペースができます。
シングルベッド2台の場合よりも、出入り口付近の空間に少し余裕があります。
6畳の広さになると、当然ですが4.5畳よりはだいぶ空間に余裕が出てきます。
どうしても4.5畳しか取れないという訳ではないのでしたら、主寝室はせめて6畳以上の広さがあるのが好ましいです。
次の図は6畳の主寝室にシングルベッド2台をレイアウトした一例です。
他にもいくつか違うレイアウトが考えられますが、最もオーソドックスにレイアウトしてみました。
部屋の右側の壁にベッドの頭側を寄せた位置に配置します。この場合、ベッドの足元には通路としての約50センチのスペースが 確保でき、ベッドのそれぞれの横には75センチのスペースができます。
75センチのスペースができると、化粧台を置く事もできますし、クローゼットの前は着替えの空間として利用できるようになります。
ダブルベッドを6畳の部屋にレイアウトすると次の図のようになります。
シングルベッド2台の時と同様にベッドの足元には通路としての約50センチのスペースが 確保できています。
図の上の方を75センチ空けて化粧台を置きダブルベッドをレイアウトするとクローゼットの前に120センチの スペースができます。
シングルベッド2台の時よりも、着替えの空間としてしては、充分な広さが確保できました。
着替えのスペースとしてだけでなく、精神的にも余裕を感じさせるスペースとなるでしょう。
理想を言えば、主寝室は8畳以上の広さがあると良いですね。
単に寝るだけの部屋ではなく、くつろぎの場としての役目も果たせるようになります。
次の図は8畳の主寝室にシングルベッド2台をレイアウトした一例です。
8畳の広さになると、かなり多くのレイアウトが考えられますが、
ここでは先の6畳の主寝室にシングルベッドを2台置いた例と同じレイアウトにしてあります。
ベッドの足元に140センチのスペースができました。
これだけのスペースがあると、収納家具を置く事もできますし、例えばテレビを置いても充分な広さがあります。上の図では47型のテレビを置きましたが、もっと大きなテレビでも大丈夫です。
寝室としてだけの機能だけではなく、ホームシアターとしても利用できる部屋にもなります。
次の図は8畳の部屋にダブルベッドを置いたレイアウトです。
ここでは図の上の方に120センチのスペースを取りました。
これだけのスペースがあれば小さなテーブルと椅子を置く空間ができるようになります。
寝る前にビデオを見ながら、軽く寝酒を飲むというのも良いかも知れませんね。
シングルベッド2台よりもダブルベッドの方がスペースに余裕ができます。
主寝室のベッドは
シングルベッド2台にするのか?
それともダブルベッドにするのか?
どちらを選択するのかによって、間取りの作り方に影響が出てきます。
そこで、それぞれのメリットとデメリットを見てみましょう。
例えば眠りが浅く、少しの刺激でも目が覚めてしまうという人はシングルベッドで別々に寝るのが良いでしょう。
ダブルベッドで夫婦が一緒に寝る場合、相手が寝返りをした時などに動きが伝わって寝にくいという事があるかも知れません。
ただ、相手のイビキがうるさい場合、ダブルベッドであれば、布団の中で足を突けば止まるかも知れませんが、シングルベッドで別々に寝ていると、そんな訳にはいかないでしょう。
もし、かなりイビキが気になるという事でしたら、寝室自体を夫婦で別々にした方が良いかも知れません。
ダブルベッドにする場合のメリットは、省スペースです。
シングルベッド2台だとキングベッドのサイズよりも少し大きめのスペースが必要になります。
シングルベッド2台の場合、
シングルベッド幅970ミリ×2台に
隙間150ミリほど取ると、約2100ミリ
ダブルベッドの場合
幅1540ミリ
良いプランを作るためにも、シングルベッド2台にするのか?
それともダブルベッドにするのか?
あるいはクィーンベッドにするのか?
夫婦でよく話し合って決めましょう。
私が寝室を設計する際に必ず避けることがあります。
ベッドに寝た時、頭上に窓があると色々と不都合なことが出てきます。
冬場、どんなに断熱性能の良い窓であっても、寒さを感じます。
頭に冷気が降りてきて、非常に不快になります。
また、遮光カーテンを使ったとしても、すぐ頭の上だと、どうしても外の光が気になるでしょう。
特に、夏場は早朝から明るいので、早く目が覚めてしまい、寝不足になるかも知れませんね。
ともかく、まずはベッドのレイアウトを決めて、窓が適切な位置に来るように配置する事が重要です。
これは、絶対そうした方が良いという訳ではありません。
できれば、主寝室の出入り口はベッドの足元側にある方がベターです。
その理由の一つは動線の長さです。
枕元側に出入り口があると、ドアから遠い方に寝る人はベッドの足元の方をぐるっと回って行かなければならず、動線が長くなります。
足元側に出入り口があれば、そのような長い動線にはなりません。
また、枕元側に出入り口があると、ドアに近い方に寝る人は、相手の人が寝室を出入りするたびにドアの開け閉めが気になるでしょう。
絶対という訳ではありませんが、プランとして可能であれば、足元側に出入り口を持ってくる方がベターです。
★オススメの記事
このホームページに記載してある情報は自由に使用ていただいて結構です。 ただ、WEB上で引用される場合は、 「家づくりを応援する情報サイト」からの引用である事を記載して、 更に、このホームページへのリンクをしてください。 どうかよろしくお願いします。
このサイトの管理者
株式会社ポラリス・ハウジングサービス
代表取締役 高田公雄
京都市東山区泉涌寺東林町37-7
株式会社ポラリス・ハウジングサービスは「住宅相見積サービス」を運営し、京都・滋賀・大阪・奈良で注文住宅を建てる人を第三者の立場でサポートする会社です。