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障子紙を通した光は、部屋に柔らかく差し込み、独特の雰囲気を醸し出してくれます。
障子を和室で使うのはもちろん、洋室でも、和のテイストを取り入れたモダンな空間演出として使う事ができます。
リフォームや新築の際に、そんな障子を採用したいと考える人も多いでしょう。
ところで障子には枠の形状や組子のデザインによって、色々な種類があり、採用するデザインによって、インテリアの雰囲気にも大きく影響を与えます。
障子の全体像を理解して、自分たちにあったデザインを選びましょう。
この記事は「世界で一番やさしい木造住宅(エクスナレッジ)
」を参考に作成しました
目次
代表的な障子
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障子は当然ながら、カーテンや他の建具と比べて、メリットとなる部分もあればデメリットもあります。
障子を採用する際には、その辺りをしっかり把握した上で決定する事が大切です。
ガラスの光の透過率は90%。それに対し障子紙の光の透過率は40~50%です。
真夏の指すような直射日光も適度な明るさへと変化させます。不快な西日も、和らげてくれます。
また、光を拡散するので、部屋中に柔らかな光が広がります。
そして、枠や組子が影となって浮かび上がり、幻想的な雰囲気を演出してくれます。
カーテンよりも障子の方が通気しにくいので、窓と障子の間が、ある程度密閉された状態になります。
密閉された空気が、外気の温度を部屋の中に伝えにくくしてくれます。
したがって、カーテンよりも高い断熱性を期待できます。
ただし、デメリットの所でも述べますが、窓と障子の間にできた中途半端な密閉空間が、結露を発生しやすくしてしまう事になります。
レースのカーテンの場合、外の方が明るい昼間は部屋の中が見えませんが、逆に夜は部屋の中が丸見えになってしまいます。
その点、障子の和紙は昼夜問わず、外からの視線を遮断できます。
ただ、夜間は照明の位置によっては、障子に人影が映るので、 注意が必要です。
木と紙でできている障子は、湿度が高いときは湿気を吸収し、湿度が低いときは湿気を放出します。
ただ、樹脂製の障子紙やアルミ製の枠でできている場合は、調湿効果は期待できませんが。
また、空気が和紙を透過する際に、空気中の異物をろ過してくれるので、空気清浄効果も期待できます。
意地悪なお姑さんが障子の桟を指でなぞって、お嫁さんを叱責するシーンが思い浮かびますね。
障子の組子はホコリが溜まりやすい代表格のような場所です。
また、障子紙が貼ってあるので、雑巾で水拭きする訳には行きませんし、掃除しにくく、綺麗な状態を保つのは難しいです。
しかし、後述する太鼓障子であれば、その心配もなくなります。
やはり何といっても、障子紙が破れて穴が開きやすいという事が最大のデメリットかも知れませんね。
破れれば貼り替えなくてはならず、面倒です。
和紙を樹脂フィルムでサンドした障子紙であれば、簡単には破れないので、破れが気になる方は、多少価格は高くなりますが、そちらを貼る事で、貼り替えの負担を大幅に軽減できます。
また、樹脂の障子紙であれば、雑巾で水拭きもできますし、障子の掃除もしやすくなります。
窓の付近の空気が動かず、滞留した状態になると結露が発生しやすくなります。
窓の内側に障子を設けると、中途半端な密閉空間ができます。空気が滞留し、更に障子紙は湿気を通すので、中途半端な密閉空間にはドンドン湿気が供給されてくる状態になります。
自然素材でできている障子には調湿効果があるものの、その調湿効果だけではその結露を防げません。
障子を完全に閉めずに少し隙間を空けておくと、多少空気が動くようになるので、結露は少し緩和されます。
障子はカーテンのように全開にする事はできません。
全開にしたい場合は、わざわざ障子を外さなければなりません。
後述する、普通の水腰障子であれば軽いので、取り外しするのは楽ですが、月見障子や猫間障子の様なガラスがハメ込まれている障子の場合、重量があるので、取り外しは結構困難です。
もし、取り外したとしても、置き場所に困ってしまいます。
障子の種類を知る上で、障子の各部位の名称や、それぞれの断面寸法を頭に入れておくと理解しやすいです。
断面寸法については
「見付け×見込み」という形で表します。
※用語解説
見付け・・・正面から見える部分
見込み・・・奥行き
障子は次のような部材で構成されていて、それそれの部位に名称(名前)があります。
障子の最上部にあり、鴨居の溝にハマる桟
一般的な寸法
障子の最下部にあり、敷居の溝にハマる桟
一般的な寸法
上桟と下桟の間の位置にある桟
一般的な寸法
両サイドの縦の枠材。縦桟とも言います。
一般的な寸法
上下の桟と框の間で、縦横に組み込まれた細い格子。
一般的な寸法
障子の下部にハメ込まれる板材。
一般的な寸法
障子には様々な種類がありますが、種類の分類の仕方には次の2通りがあります。
枠の中、組子のデザインによる分類
枠の形状や機能による分類
それぞれ、どの様な障子があるのか、図でご紹介します。
最もスタンダードな障子。荒間障子(あらましょうじ)とも呼ばれています。
掃き出しの障子(W900ミリ×H1800ミリ)であれば、横方向に4等分、高さ方向に6等分して組子を配します。
荒組障子の縦の組子はそのままで、横の組子の間隔を半分にしたもの。
荒組障子と共にスタンダードなタイプの障子になります。
横組障子の横の組子を更に半分の間隔に狭めた障子になります。
関東地方で多く使われているタイプの障子です。
荒組障子の横の組子はそのままで、縦の組子の間隔を半分にしたもの。
また、障子の名称には「たて」に対して、縦ではなく「竪」の字を充てることが多いです。
竪組障子を基本として、更に縦の組子の間隔を半分にして狭めた障子。
関西方面では竪繁障子が好まれて多く使われていて、京町家などでは障子に限らず、玄関の引き戸や表の格子戸にも、このデザインがよく使われています。
縦の組子と横の組子が正方形になるように組んだ障子で、モダンな雰囲気を演出できるので、和洋のどちらのインテリアにもマッチします。
黒塗りにすると、マッキントッシュの椅子を連想させます。
組子の間隔が広い箇所と狭い箇所を交互に並べ、リズムの変化を付けて組んだ障子。
様々なパターンがあります。
和モダン、あるいは数寄屋風のインテリアにマッチします。
組子を単純に縦横に並べるのではなく、斜めに組んだり、伝統模様をあしらったり、あるいは不規則に配するなど、デザイン性を強調した障子。
「組子障子」とも呼ばれています。
全面に紙を貼った、最もポピュラーなスタイルの障子です。
腰板が無い事から「腰無障子(こしなししょうじ)とも呼ばれています。
外部に面した雨が掛かる場所では、菜種油を塗って撥水性を良くして使用していたようです。
下部の30センチ程度を腰板張りにした障子。
元々は外部に面した場所で使用され、雨が掛かっても大丈夫なように腰板が60~80センチの高さまでありましたが(腰高障子と呼びます)、室内の間仕切としても使われるようになり、現在の様な腰の低い腰付障子が一般化しました。
障子の下半分にガラスがハメ込まれ、障子を閉めた状態でも外の雪景色を楽しめるようになっている障子。
ガラスの前に上下、あるいは左右に稼働する小障子が付いているタイプもあり、その場合は「猫間障子」あるいは「摺り上げ雪見障子」と呼びます。
雪見障子について詳しくはこちら
障子の中央部分にガラスを組み込んだ障子です。
基本的には腰付障子で、縦長にガラスが入っているものを「竪額障子(たてがくしょうじ)」、横長に入っているものを「横額障子(よこがくしょうじ)」と呼びます。
外内の両面に紙を貼った障子の事を言います。
障子の中に空気層ができるので、普通の障子よりも断熱性が高く、寒冷地で多く使われます。
また、組子が表に出ていないので、ホコリが溜まらないので、掃除が楽になるというメリットもあります。
雪見障子や額入り障子のようなガラスが組み込まれた部分に、上下や左右に稼働する小障子が付いた障子の事です。
元々、猫間障子にはガラスは組み込まれておらず、猫が出入りできるように作られた障子でした。
猫間障子に関して詳しくはこちら
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