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根抵当権は商売をする上で便利なように、いちいち抵当権を登記したり消滅しなくても、極度額(金額の枠)を設けて、1つの抵当権で担保できるようにするものです。
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根抵当権とは、
一定の範囲内の不特定の債権を設定した金額の範囲内で担保するために、不動産に設定された抵当権のことです。
ちょっと難しいので例を見ながら、わかりやすく解説します。
精密機器を製造するAという会社があり、A社はB社から高価な部品を毎日仕入れていていたとします。
A社とB社は長い付き合いですし、毎日の取引になるので、Aは部品をツケ(後でまとめて支払うこと)で仕入れていたとします。
しかし、B社としては、このツケを万が一、踏み倒されると困るので、A社の不動産に抵当権を設定させてもらう事にします。
しかし、毎日、新しいツケが発生するので、その都度、抵当権を登記したり消滅したりしていたのでは、非常に手間がかかりますし、登記費用もバカになりません。
そこで、例えば5000万円という限度額を設けて、抵当権を設定して、その限度額の範囲内であれば取引が何度行われても、1つの抵当権で担保されるようにします。
これが根抵当権です。
また、根抵当権で設定する金額の限度のことを極度額(きょくどがく)と言います。
なお、根抵当権の極度額を変更する場合は、利害関係人(後順位抵当権者など)の承諾が必要です。
根抵当権の極度額を変更するためには、利害関係人の承諾を得なければなりません。
先ほどの例で言うと、
製造会社Aと部品会社Bはもちろん、もし、部品会社Cが後順位抵当権者であれば利害関係人になります。
更に、部品業者Cが根抵当権を担保にDからお金を借りていたとしたら、Dを転抵当権者と言い、利害関係人になります。
利害関係人の承諾があれば、元本の確定の前でも後でも極度額を変更できます。
ただし、極度額を増額する場合と減額する場合で事情が違ってきます。
増額する場合、先ほどの例で言うと
根抵当権設定者の製造会社Aと根抵当権者の部品会社BとCが利害関係人になります。
転抵当権者のDは利害関係人ではありません。
もし、製造会社Aが破産したら、担保の不動産を競売にかけて現金に換えます。
そして、抵当権の順位が上の者から優先して返済していきます。
仮に極度額を5000万円から6000万円に増額した場合、担保の不動産を競売にかけて、6000万円で売れれば良いですが、5500万円でしか買ってもらえず、500万円ショートしてしまうかも知れません。
極度額を増額すればするほど、リスクが高くなり、抵当権の順位が後の方が、より被害を被る可能性が高くなります。
根抵当権設定者(製造会社A)と根抵当権者(部品会社B)の間で増額についての契約をし、その他の利害関係人(部品会社C)がいれば増額変更承諾書によって承諾を得る事で、増額変更されます。
増額変更されれば、直ちに登記する訳ですが、すでに登記されている根抵当権設定登記の記載はそのまま残り、枝番号が付けられ付記されます。
これまでの経緯が分かるようになっている訳です。
「民法第398条の5」と「民法第398条の21」の2つのパターンがあります。
「民法第398条の5」による場合、先ほどの例で言うと、減額の利害関係人は転抵当権者のDになります。
元々、5000万円の根抵当権ということで、部品会社のCにお金を貸しているのに、4000万円に減額されては、Dからして見ると担保の価値が下がるので、話が違うという事になります。
ただ、「民法第398条の21」による場合は、根抵当権設定者の製造会社Aによって減額請求が可能で、利害関係人等の承諾は必要ないとなっています。
根抵当権設定者の製造会社Aからしてみれば、ツケを貯め込める枠が大きい方が有利で、それを減額するのは不利になります。逆に根抵当権者の部品会社BとCにしてみれば、抵当権を実行した時に回収金額がショートしてしまうリスクが少なくなり有利に働くので、承諾はいらないという事です。
「民法第398条の5」による場合は増額の手続きと同じです。
「民法第398条の21」による場合は元本確定をして、やり直さなければなりません。
根抵当権設定者と根抵当権者の間で減額についての契約を交わす必要はありません。
根抵当権設定者の意志だけで減額する事ができます。
先の例で言えば、
根抵当権設定者の製造会社Aが減額すると決めれば、それで効力が生じ、根抵当権者の部品会社BとCに限度額の減額を請求する通知書を送れば減額変更されます。
その後、直ちに登記をする訳ですが、増額の時の記載と同じで、枝番号が振られ、付記登記されます。
根抵当権を設定すると、極度額の範囲内であれば、自由にお金の貸し借りができるようになります。
しかし、根抵当権を消滅したい状況が発生したとします。
例えば、支払いが滞ったので、不動産を売却してお金を回収する必要が生じたり、
あるいは、最初から2年間と決めて根抵当権を設定し、その期限がきた場合などです。
その場合、消滅する時点でいくら返済額が残っているのか、いつまでに返済するのかをハッキリさせなければなりません。それが根抵当権の「元本確定」です。
元本確定をすると、それ以降は、新たな担保を加えたり、債務者の変更(A社からE社に変更する事)や元本確定期日の変更はできなくなります。
そして、根抵当権は普通の抵当権と同じ扱いになります。
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