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住宅を新築する前に地鎮祭を行う予定の人もいらっしゃることでしょう。
ただ、地鎮祭の経験はなく、不慣れだという人がほとんどです。
地鎮祭は当日どんな流れで進行するのか?施主は何をしたらいいのか?服装はどうしたらよいのか?
そんな疑問にお答えします。
最近では、地鎮祭をしないケースも多くなっています。
しないからと言って、別に祟られたと言う話は聞いたことがありませんし、するかしないかは気持ちの問題かも知れません。
ただ、注文住宅で家づくりをする機会でもなければ地鎮祭をする事はないでしょうし、費用は3~5万円程度なので、一度、経験しておくのも良いでしょう。
ところで、地鎮祭とはどんな式典なのでしょうか?
地鎮祭とは、建物の新築をする際、工事の前に、その土地に住む神様に対し、これから土地を利用させてもらう許可を得る儀式です。
神社に依頼するのが一般的で、酒・水・米・塩・野菜・魚等のお供え物をして、神主さんに祝詞奏上をしてもらい、工事の安全と家の繁栄を祈願するのが目的です。
神社以外にも、たまに仏式で行う事もあります。
戸建住宅であれば、神社などには依頼せずに、施主と住宅会社だけで四方にお酒を撒き、簡単に済ませる場合もありました。
地鎮祭の由来については、よくわかっていません。
地鎮祭に関する最も古い記録は、西暦690年、持統天皇の御世に、藤原京造営に先立って“鎮め祭らしむ儀式“が行われていたことが「日本書紀」に記載されています。
ですから、少なくとも1300年以上前には行われていたようです。
その後、公共事業としての土木や建築の工事を行う前の神事として定着していき、近年では個人の戸建て住宅にまで普及してきました。
日ごろ、あまりやることのない「玉串(榊の枝)の供え方」「2礼、2拍手、1礼」など祭壇の前で行うマナーについては、その都度その場で神主さんが教えてくれます。
ですから、当日はその流れに従っていれば大丈夫です。
とは言うものの、事前にどのようなことをやるのか分かっていないと、戸惑ってしまいますね。
ですからここで、当日の会場のレイアウトと地鎮祭の流れをご紹介します。
青竹としめ縄で囲まれた四角形の中に祭壇と参列者の席を設けます。
地鎮祭の式典が行われている間は、基本的に四角形の中にいなければなりません。
祭壇は南向きか東向きになる様にし、祭壇に向かって、右側に施主の関係者が座り、左側に住宅会社側の関係者が座り、施主側と住宅会社側の席は人が通れるだけの間を空けて配置します。(図ではそうなっていませんが)
間を空ける事で、参列者の動きがスムーズになるという事もありますし、神社によって考え方が違うようですが、その間を通って神様が祭壇に降りてくるとのこと。
祭壇には、神社が用意した米・塩・酒・山の幸3種・海の幸3種をお供えします。
ただし、神社によっては住宅会社が用意しなければならないケースもあれば、施主が用意しなければならないケースもありました。
祭壇のお供えは御下がりとして施主が家に持ち帰る事になっています。
地鎮祭の時間自体は20~30分ほどです。
その前後には祭壇の設置と撤去の時間もありますので、全体では1時間ほどになります。
しかし、施主には祭壇の設置と撤去は関係ないので、地鎮祭の開始時間の15分ほど前に現地に着けば良いでしょう。
式典の進行役は住宅会社がやる場合もありますが、神主さん自らがやる場合がほとんどです。
地鎮祭は10の儀式で構成されていて、一つ一つの儀式毎に、神主さんが祭壇の右側へ下がって進行していきますが、初めてご覧になると、妙な感じがするかもしれません。
神社や地域によって多少の進行の差がありますが、概ねここでご紹介する通りの流れで行われます。
次にご紹介する10の儀式の内、赤字の部分を施主が行うので、頭に入れておいてください。
1.修祓(しゅばつ)
参列者とお供え物を祓い清める祭儀。
神主さんがお祓いの言葉を奏上し、大麻(おおぬさ)を左右に振ってお祓いをします。
2.降神の儀(こうじんのぎ)
この土地に鎮まる神様と地域の神様をお迎えする厳粛な祭儀です。
神主が「オオー」という声を出し、神様が祭壇に降臨してきます。
その際、参列者は頭を下げます。
3.献饌(けんせん)
神主が祭壇のお供えを、神様にお召し上がりいただくために、お神酒と水の蓋を取ります。
その間、参列者は着席したまま静かに見守ります。
4.祝詞奏上(のりとそうじょう)
これから先、この土地をお借りして家を新築する事を神様に奉告する儀式です。
神主さんが紙に書かれた文章を読み上げます。
文章の内容は、施主、設計者、施工業者を神様に紹介し、工事の安全を祈る言葉が綴られています。
5.四方祓いの儀(しほうばらいのぎ)
神主さんが敷地の四隅と中央をお神酒・米・塩・白紙で清めますので、施主も同行します。(神主さんだけで行う場合もあります)
その間、残った人は着席したまま静かに待ちます。
6.地鎮の儀(じちんのぎ)
祭壇の横に盛った砂山で行う儀式です。
神主さん以外は、それぞれ3回に分けて、「えい、えい、えい」と声を出しながら行います。
写真は施主が行う穿初め(うがちぞめ)。鍬で盛り砂を掘る動作を3回します。
7.玉串拝礼(たまぐしはいれい)
参列者が順番に祭壇の前に立ち、玉串を捧げ工事の安全を祈ります。
(施主⇒施主の関係者⇒工事関係者の順に玉串を捧げます)
神主さんから玉串を受取り、祭壇の前に立ち、玉串を時計回りに回して根本を神様に向けて祭壇にお供えします。
その後2礼(深く二回お辞儀をする)2拍手(2回柏手を打つ)1礼(1回深くお辞儀をする)最後に軽く礼をして下がります。
8.徹饌(てっせん)
神主さんがお神酒と水の蓋を閉じお供え物をお下げします。
献饌(けんせん)の逆の動作をします。
その間、着席したまま見守ります。
9.昇神の儀(しょうじんのぎ)
神様に元の座へお戻りいただく儀式。
神主が再び「オオー」と声を出すので、頭を下げます。
神様が昇神するまで、静かに待ちます。
10.直会(なおらい)
地域によっては、お酒・おつまみで歓談する場合もありますが、最近では、施主の挨拶の後、神主さんの音頭で乾杯をして盃に口を触れるだけで終わる場合が多いです。
施主の挨拶は、「1.参列者へのお礼」「2.マイホーム着工の喜び」「3.工事の安全と無事を祈念」の順に述べるのが一般的です。
地鎮祭の当日の実例動画
(動画長さ4分36秒)
地鎮祭は神聖な神事なので、当日はあまりに派手な服装やだらしない服装で地鎮祭を行うのはどうかと思いますが、普段着ているような服装で構いません。
もちろんスーツでもOKです。
地鎮祭の服装について詳しくはこちらをご覧ください
夏なら現場には蚊がたくさんいるコトがよくあります。
30分間、逃げるに逃げられず、たいへんな思いをするコトになるかも知れません。
虫除けスプレーなどの用意を忘れずに。
また、雨模様なら、現場はぬかるんでいます。
当日は雨が降っていなくても、
前日が雨であれば、ぬかんでいると見て間違いありません。
そんな時、綺麗な靴では惨憺(さんたん)たる結果になります。
そういう時は長靴で出席しても何も問題はありません。
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