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上棟式は、無事に棟が上がった事を感謝し、施主が大工の労をねぎらい、これから入るいろいろな職方との親睦を深めるための行事です。
建前(たてまえ)とも呼ばれています。
ここでは上棟式の費用やご祝儀、のし袋の表書き、式の準備や流れについて解説します。
【目次】上棟式のご祝儀・費用・表書き
上棟式で、施主(建築主)が用意するもの
料理やご祝儀の準備のために、
事前に出席者の人数を把握しておかなければなりませんので、施工会社に、当日の職人さんの人数を確認しておく必要があります。
また、職人さん以外の施工会社の社長さんや営業担当者、設計士さんなど、上棟式に参加して欲しい人は、施主の方から声を掛け、ご招待するようにしましょう。
どの程度のお酒や料理、おつまみが必要かは地方によって相当異なりますので、施工会社とよく相談して準備をすすめると良いでしょう。
上棟式にかかる費用は、ある程度ちゃんとしようとした場合の金額は次のようになります。
これらの費用を合計すると、出席者が20人前後で総額20万円程度です。
のし袋の表書きは、次の画像のように「御祝儀」とし、下に名前をフルネームで書きます。
のし袋の裏は、金額を住所を書くのが正式ですが、住所は省いても良いでしょう。
なお、金額の書き方は次の通りです。
金参阡圓也(3千円)
金伍阡圓也(5千円)
金壱萬圓也(1万円)
金弐萬圓也(2万円)
金参萬圓也(3万円)
のし袋には、水引が実際に結ばれているものと、水引が印刷されているものがありますが、包む金額が1万円以下であれば、水引が印刷されたのし袋で結構です。
なお、水引の結び方にはいくつか種類があり、上棟式で使う結び方は、蝶結びかあわじ結びになります。
上棟式は、一般的には午後3時ごろから行われます。
上棟式は、棟梁が棟木に幣束(へいぐし)を立てて、破魔矢(はまや)を飾り、建物の四方に酒・塩・米をまいて清め、上棟の儀式を行います。そのあと、施主のあいさつ、乾杯をおこない、直会(なおらい)に入ります。
最近では少なくなりましたが、屋根から餅撒きなどをする地域も多いです。
最近では、職方のほとんどが自動車を使い、工事現場を掛け持ちするということが多ので、直会にはお酒を出さず、軽い食事だけというコトもよくあります。
地鎮祭では、祝儀は出さないのが通例ですが、上棟式の場合は、参加者への祝儀か記念品等が必要です。
事前に参加者の人数の確認が必要です。
地域により上棟式のやり方は違いますが、一般的な流れは次の式次第のように進行します。
幣串・破魔矢は棟木の一番高いところに南向きで取り付けられ、
その家が解体されるまで、そのままにしておきます。
実際の上棟式の様子を動画でご覧ください↓
(動画長さ 2分41秒)
こちらは近隣の人をお招きした、ある程度本格的な上棟式です↓
(動画長さ 4分15秒)
普段、着ているような服装で構いません。
むしろ、正装や綺麗な服装だと
何と言っても工事現場ですから、釘に引っ掛けたり、汚したりする可能性があります。
また、せっかくなので1階だけでなく、2階も
どんな風にできているのか見てみたいですよね。
上棟式の状態だと、まだ階段が掛かっていません。
ですからハシゴを登ったり降りたりしなければならないので、
できるだけ動きやすい服装が良いでしょう。
宮崎駿のアニメ「となりのトトロ」で、
屋根裏に「おかめ」のお面が出てくるシーンが一瞬だけ映ります。
関西以外の人があれを見ても、「???」ではないでしょうか。
実は、関西では弊串(ヘイグシ)に
「おかめ」の面を付けるのが一般的なのです。
呼び名も、「おかめ御幣(ごへい)」と言います。
その由来は、京都市上京区にある千本釈迦堂にあります。
「おかめ御幣」の由来について、動画でわかりやすく解説します。
どうぞ、ご覧ください。
動画長さ 4分15秒
動画でもご紹介していますが
千本釈迦堂には「おかめ」にまつわる、こんなエピソードがあります。
千本釈迦堂の本堂(写真)は鎌倉時代の1227年に建てられました。
その本堂建立をまかされていた大工の棟梁が、長井飛騨守高次(ながいひだのかみたかつぐ)。
そして、高次の奥さんが於亀(おかめ)です。
本堂の工事を進めていた高次でしたが、間違って柱を短く切ってしまいます。
どうしたらよいかと途方にくれていたところ、
妻・於亀(おかめ)の助言でことなきを得て、見事立派な本堂が完成しました。
しかし、女の入れ知恵で完成したといわれては主人の恥とばかり、上棟を前にして於亀は自害して果てます。
人々は於亀の女心のいじらしさを憐れみ、
おかめ供養塔供養塔を本堂の前に立てました。
(チョッと今の時代からは考えられない話ですが‥‥)
それから250年の後、室町時代の応仁の乱は京都を戦場に11年間も続き、
ほぼ京都の街全体が壊滅状態になってしまいました。
しかし、千本釈迦堂の本堂だけは奇跡的に残りました。
応仁の乱以後も、大永の乱、享保の大火でもその戦禍、災難を免れ、
市内の寺院としては最も古い本堂となっています。
このため京都では
「おかめ」が主を陰で支える家の守り神として
上棟の際に御幣に「おかめ」の面を付けて、小屋裏に収めるようになりました。
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