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住宅の窓の断熱が重要な事は言うまでもありません。特に面積の多いガラスの断熱のためにもLow-Eペアガラスを正しい選ばなくてはなりません。ところがメーカーが間違った情報発信をしているために、ハウスメーカーも工務店も間違えた使い方をしています。
ここでは、正しい Low-Eペアガラスの使い方を、動画にてわかりやすく解説します。
目次
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LOW-Eガラスには「断熱タイプ」と「遮熱タイプ」があります。
それをどの様に使い別けたら良いのか?
メーカーは「断熱タイプ」は寒冷地用、「遮熱タイプ」は温暖地用としていますが、それは間違いです。
ぜひ、動画でご確認ください。
動画長さ:11分00秒
以下、動画の内容を文字にしてありますので、文字の方が良いという方はこちらをご覧ください。
今回はLOW-Eペアガラスのお話です。
実はガラスメーカーやサッシメーカーがLOW-Eペアガラスについて、正しい情報発信をしていません。
特に、ガラスメーカーの情報についてはチョッとそれは、どうなのかなと思っています。
そのせいで、私を含め、住宅建築に携わる者、
ハウスメーカーも工務店も設計事務所も、皆、LOW-Eペアガラスの使い方を間違えてしまっているのです。
これは良い状況ではないなと思いましたので、この動画を作成しました。
そこで、今回のテーマは「皆、間違えている!LOW-Eペアガラスの使い方」
言うまでもなく、家の中で一番熱の出入りの多い場所が窓です。
ですから、窓の断熱がすごく重要であることはご承知の通りです。
昔はサッシと言えば、アルミサッシが一般的でしたが、最近では断熱性の良い樹脂サッシが使われるようになってきました。
そして、ガラスもペアガラスになり、今ではさらに断熱性の良いLOW-Eペアガラスが当たり前になっています。
ところが、せっかくのLOW-Eペアガラスなのに、メーカーが推奨する使い方が間違えています。
何をどう間違えているのか、次の5段階で紐解いていきます。
では順番にお伝えしていきます。
理解のしやすさを優先するため、断定的な言い方をする箇所が幾つかありますが、どうかご了承ください。
LOW-Eペアガラスには薄い金属膜がコーティングされています。
それにより、ただのペアガラスより約2倍の断熱性能があります。約2倍の断熱性能です。
もう一つ特徴があります。
それは金属膜が熱を反射するという事です。
ただし、目に見える光は反射せずに、家の中に入れます。
ですから、家の中が暗くなるような事はありません。
LOW-Eペアガラスが反射するのは、熱を持った赤外線という、目に見えない光です。
つまり、夏の強い日差しの熱を、家の中に入らないという事です。
そうなると、冷房の効きも良くなります。
ところで、意外と知られていないのが、そのLOW-Eペアガラスには2種類あるという事です。
LOW-Eペアガラスには「遮熱タイプ」と「断熱タイプ」の2種類があります。
その違いは金属膜の位置です。
遮熱タイプはペアガラスの屋外側のここに、金属膜がコーティングされています。
断熱タイプはペアガラスの室内側のここに、金属膜がコーティングされています。
この金属膜の位置によって、日射熱の反射率が変わってきます。
つまり、赤外線をどれだけ反射のかが違ってくるのです。
屋外側のガラスにコーティングされた遮熱タイプは、日射熱を53%も反射します。
一方、室内側のガラスにコーティングされた断熱タイプは、日射熱を26%しか反射しません。
つまり、端的に言うと、
遮熱タイプは太陽の熱を反射する。
断熱タイプは太陽の熱を通す。
と理解してもらったら結構です。
ココは最も重要な事なので、もう一度言います。
遮熱タイプは太陽の熱を反射する。
断熱タイプは太陽の熱を通す。
では、この2種類のLOW-Eペアガラスをどの様に使い分けたら良いのでしょうか?
まず、ガラスメーカーがどの様に言っているのか?
ガラスメーカーのホームページには、この様に書かれています。
遮熱タイプは温暖地向け。断熱タイプは寒冷地向け。
つまり、温暖地は夏の強い日差しを防ぐ必要があるから遮熱タイプ。
寒冷地は寒い冬に太陽の熱を家の中に入れた方が良いから、断熱タイプ。
という理屈です。
ガラスメーカーがこの様に言っているので、ハウスメーカーも工務店も、ほとんどがこれに従っています。
でも、これは間違っています。
温暖地と言っても、沖縄は別として、鹿児島だって冬は寒いです。たまに雪だって降ります。
温暖地でも、冬は太陽の熱を家に入れた方が良いです。
では寒冷地はどうでしょう?
例えば、北海道の夏も期間は短いですが暑いです。日差しも強いです。
寒冷地でも、夏は太陽の熱を家の中に入れない方が良いです。
ですから、単純に、遮熱タイプは温暖地向け。断熱タイプは寒冷地向け。
とするのは、どうかと思います。
その点、サッシメーカーは、もっと違う使い方を推奨しています。
サッシメーカーの場合、温暖地が寒冷地か、という事ではなく、方角で使い分ける事を推奨しています。
まず、南側の窓。
南側の窓には断熱タイプが良いと推奨しています。
なぜかと言うと、冬に南の窓から入ってくる日射は、1ケ所につきコタツ1台分の熱量です。
その熱をできるだけ取り入れた方が良いからです。
夏は太陽の位置が高いため、庇を付けたり、軒を深くする事で直射日光を防ぐ事ができます。
日差しを避けるためのアウターシェードを言う商品も用意されています。
そして、東西の窓。
東西の窓には遮熱タイプが良いと推奨しています。
これは誰でも分かりやすいかと思います。
西と東の窓は、夏、強烈な日差しが真横から家の中に入ってきます。
しかも、朝は午前5時前から、夕方は午後7時ごろまで。
非常に長い時間です。
これを何とかする事が第一です。
南の窓は断熱タイプ。
東西の窓は遮熱タイプ。
とても、納得できますよね。
では北の窓については、どの様に言っているのか?
実は、何も言っていません。
そのため、北の窓は「断熱タイプ」だという人もいれば、「遮熱タイプ」だという人もいます。
皆、バラバラです。どちらかと言うと、断熱タイプだと主張する人の方が多いかも知れません。
なんとなく、北の窓は断熱タイプが良いんじゃないかと思ってしまいますよね。
私もそう思っていました。
それは次の2つの理由からです。
1つ目の理由、北側の窓は結露が発生しやすいので断熱に優れた窓が良い。
2つ目の理由、北側の窓は日差しが当たらないから、遮熱タイプにする必要がない。
でも、それは間違っているのです。
まず、1つ目の断熱に優れた窓について。
断熱タイプと言う名前なので、なんか遮熱タイプより断熱性能が優れているんじゃないかと思っちゃいますよね。
ところが断熱性能はどちらも一緒なんです。
私がその事実を知った時には、騙されたと思いました。
皆、断熱タイプと言う名前に、勘違いさせられているのです。
2つ目の遮熱タイプにする必要がないについて。
夏、北の窓には直射日光が当たらなくても、照り返しで、大量の輻射熱が入ってきます。
しかも、夏は北の窓に直射日光が当たらない訳ではありません。
朝と夕方、それぞれ1時間ずつ直射日光が当たります。
という訳で、北の窓は遮熱タイプにするのが良いのです。
さて、話をまとめると、東西南北のそれぞれのLOW-Eペアガラスはこの様になります。
南側の窓は断熱タイプ、他の方角の窓は遮熱タイプにする。
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