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照明計画を立て、適切な照明器具を選ぶ事は、住む人にとって快適な生活を実現するための重要な役割りを果たします。
豊かなあかりを楽しむためには、単に明るければ良い、デザインが美しければ良いといったことではありません。
安全や健康を保つことはもちろん、住まいとして暮らしやすく楽しい雰囲気を作り出すことが大切です。
新築住宅の場合は、工事が始まってからでは照明計画の変更ができなくなるので、とくに設計段階から照明計画を立てる必要があります。
目次
照明器具を選ぶ際には、照明計画に沿って選定していく事になります。
当然、照明計画が上手くできていなければ、いくらカッコいい照明器具を選んでも、決してオシャレな空間にはなりません。
オシャレな照明計画のためには押さえておかなければならない2つの基本があります。
2つの基本とは
なんか専門用語で難しそうに感じられるかも知れませんが、大丈夫です。とても、簡単です。
下の動画では、その辺りを分かりやすく解説しています。
もし、この内容を文字で見ると、ちんぷんかんぷんかも知れません。
でも動画で見れば、直感的に理解できる事でしょう。
また、照明器具を選ぶ際の注意点も具体的に解説しています。
ぜひ、動画をご覧ください。
動画長さ:11分40秒
照明器具には、主に下の図の種類があります。
照明器具のカタログは、大概この種類によって分類され掲載されていますし、
住宅会社や建築士、インテリアコーディネーター、電気屋さんなど、皆この名称で呼ぶので、
覚えておくと便利です。
部屋にシーリングの照明器具が一灯だけという状態だと、変化がなく、味気ないインテリアになってしまいます。
照明器具を選ぶ際には、複数の照明器具を組合わせて、その時々のシチュエーションに対応できるようにしたいものです。
それぞれの照明器具に、どんな特徴があるのかを把握して、その部屋にはどんな照明器具が適した照明計画を立てるのが良いでしょう。
天井から吊り下がっていて、電球が何個も付いている照明器具。
チェーンによる吊り下げ型と直付け型に分類され、天井の高さによって選定します。
一般住宅やマンションは2.4m程度の低い天井高なので直付け型の方が使いやすいでしょう。
取り付けは電源位置で決まり、移動が不可能なため、部屋のレイアウトに大きく影響します。
たがって全体照明として使われることが多く、食卓などの部分照明としてはふさわしくありません。
シャンデリアはクラシックやエレガントタイプが種類として多いのですが、直付けタイプではモダンに属するデザインもあります。
天井面に直接取り付ける、比較的薄型の照明器具を言います。
低い天井の部屋や作業性が求められる場所、寝室などによく利用され、空間を有効的に使う目的や、均一な明るさを求める際にふさわしい照明です。
クラシックやエレガントな空間には白熱灯や白熱灯型のLEDが似合い、蛍光灯タイプはモダンや和風の空間にふさわしい種類が多く、空間をシンプルにまとめられるので使い勝手が良いです。
壁面に取り付ける照明器具のことです。
電源が配線されていないと設置できないので、新築やリフォーム時でないと選定できません。
しかし、光の効果としては壁面が明るくなるため、視覚的な明るさ感や、空間の大きさを表現でき、オブジェとしてのデザイン性も高まります。
空間別では、クラシックやエレガントな空間には、シャンデリアとおそろいのデザインのブラケットがありますから、統一感を演出するのも容易です。
モダンなタイプとしては上向きに光が出て、間接照明的に壁面を明るくするものが、最近では非常に多くなりました。
特定の対象物に光をに向けて照らすことができるようにするものです。
どちらかといえば狭い配光自由に動く機構をもっています。
また、取り付けに関しては
直付け型とライティングダクト(レール)に取り付けるタイプがあり、後者はダクトの範囲で位置が移動できますし、器具の追加が簡単なので、照射位置が変わるような場合には、あらかじめダクトを設置するのが良いでしょう。
吊り下げ型の単体照明器具を総称し、
コード吊りやチェーン吊り、ワイヤ吊りなどがあります。
ペンダントで重要なポイントは、配光のタイプで選定すること。
金属でつくられているものは下部だけに光が出て天井や壁が暗くなり、ガラスやアクリルでつくられているタイプは、部屋全体に光が行き渡ります。
照明器具の種類は多岐にわたりますが、最近の住宅照明に多く使われるものとしてダウンライトがあります。
天井に埋め込まれるため、シンプルで、モダンな空間を創ることができ、光そのもので空間の特徴を演出できます。
形は似ていても様々な配光種類があり、一般の方には大変選定しにくいかもしれませんが、大きく2つに分けると、光の広がりが大きい全般照明用と、部分的なスポットライトの機能を持つ部分照明用に分けられます。
ダウンライトを選定する時には、 配線前であること、ランプ交換などのメンテナンスが可能な場所であることなどの確認が必要です。
名称の通り、建てて使用する照明器具。
床置きの場合は、高さ120センチ以上ある器具が一般的で、机に置くタイプは50センチ程度の高さのものが一般的です。
注文住宅でなくても、後から自由に追加できるのがメリットです。
このスタンドはダウンライトと同じように、部屋の演出に使われることが多いです。
自由に位置を移動できる事が利点ですが、部屋が狭いと邪魔になる事があるので注意してください。
高齢者が多くなるこれからの日本の住宅には、フットライト(足下灯)が必需品になります。
フットライトはブラケットの発展形ですが、壁に埋め込むため位置や数を十分検討する必要があります。
施工が難しい場所なので、工事業者との打合せが必要です。
白熱灯、蛍光灯など、色々なランプのものがありますが、常夜灯としてほのかな明かりが欲しい場合は、LEDタイプのモノが経済的です。
照明計画は設計段階で行わなければならないので、図面上で検討していかなくてはなりません。
そのためにも、照明計画の図面の見方を覚えておきましょう。
設計図書の中で、照明計画は「電気設備図」という図面に表されています。
「電気設備図」の中で照明器具は下の記号で表されています。
一般照明
シーリング
シャンデリア
ブラケット
コードペンダント
チェーンペンダント
ダウンライト
フットライト
蛍光灯(直管)
一般スイッチ
3路スイッチ
調光スイッチ
これは最も一般的に使用されている記号ですが、住宅会社や設計事務所、電気屋さんによって、多少異なる場合があります。
もし、見た事のない記号が表記されていた場合、図面の右端に凡例が出ているので、それを見れば何を表す記号なのかが分かります。
照明器具とそれをON/OFFするスイッチは線で結ぶ
一緒にON/OFFされる照明器具を線で結ぶ
スイッチを2つ並べて表記し、
それぞれのスイッチが対応する照明器具と線で結ぶ。
この場合、図面上で壁から遠い方のスイッチが上になる事を表す。
右上の例の場合、壁から遠くなっているシーリングのスイッチが上、
壁に近いダウンライト2灯のスイッチが下に設置される。
スイッチの一般的な高さは125センチです。
しかし状況に応じて、高さを変える必要が生じます。
例えば、ベッドの枕元にスイッチを設ける場合などは
寝た姿勢で操作ができるように100センチの高さにするのが良いです。
居室の入り口がドアの場合、
吊元側ではなく取手側に設けます。
引き戸の場合、引き込まれる方の反対側に設けます。
もし、この位置にスイッチを設置できない場合、
何らかの工夫をしないと非常に使い勝手が悪くなります。
廊下や階段以外でも、3路スイッチが役に立つ場合があります。
例えば、寝室で使う照明器具がリモコンに対応していない場合、
ベッドの位置の枕元に3路スイッチを設けると良いでしょう。
ベッドの枕元のスイッチの高さは、通常より低い100センチが良いですが、
ベッドのヘッドボードによっては、スイッチが隠れてしまう事もあるので、
その辺りの確認が必要です。
リモコン対応の照明器具は、同じデザインのそうでない器具よりも
1万円以上高くつきます。
しかし、3路スイッチを設けるためにかかる費用は5~6千円程度で済むので、
わずかながらコストダウンになります。
一般的に居室のスイッチは部屋内に設置しますが、トイレ・洗面所は外に設置します。
しかし、外にいる人に照明を消されるのが嫌ということで、部屋内に設置する方もいらっしゃいます。
また、最近では人感センサーつきの照明器具もあるので、その場合は、スイッチでON/OFFする必要がないため、部屋内の、わざと操作しにくいところに設置します。
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