なぜか、当時勤めていた会社が
住宅事業を立ち上げる事になり、
私を含め、一緒に立ち上げる事になった他のメンバーは
次々に戦線離脱。
ド素人の私一人で、家を建てる事になったのです。
当然、失敗の連続です。
最初の大失態は基礎工事が終わって、
建て方(柱や梁を組み立てること)を始める時の事でした。
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私は誰よりも早く現場に入りました。
やがて、大工さんたちが現場に到着。
いきなり、思いもよらぬ第一声が‥‥。
「おいっ、足場は?」
「えっ、足場を掛けとかなければいけないの?」
大工さんは、一端、空を見上げたかと思うと、
呆れ顔で、私を見ていました。
普通は基礎工事が終わったら、
直ぐに足場を組んで、それから建て方です。
足場が無いと、建て方ができないのです。
でも、ド素人の私のイメージは
建て方の時に足場あると
レッカーで材料を吊り上げ、柱や梁を組むのに、
邪魔になりそうじゃないですか。
てっきり、足場は建て方が終った後だと思い込んでいました。
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そんな言い訳が通用する訳もなく、
その時、大工さんを5~6人、呼んでいたのですが、
皆、怒って帰ってしまいました。
大工さんだけではありません。
レッカー車にも帰ってもらわなければならず、
プレカットした材料も、
プレカット工場へ引き上げてもわなければなりませんでした。
皆、怒って帰ってしまった‥‥。
それだけで終われば、まだ良いのですが、
それだけでは済みません。
後から、「手待ち代」として費用を請求されたのです。
職人さんというのは会社員とは違います。
日雇い労働者のようなもので、
毎日仕事ができるように、色々な現場の仕事を取ってきて、
なんとか食いつないでいます。
私に建て方の仕事を頼まれていなければ、
他の現場の仕事をしていたのに、
私のミスで、仕事に穴が開いてしまったら
本来、その日に得られるはずだった収入がふいになってしまう。
それを補填しろというのが「手待ち代」です。
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これが、気心が知れた職人さんであれば
手待ち代を請求されることもないのですが、
皆、初対面の人たちばかり‥‥。
それと、私のようなド素人がやっている現場の仕事など、
二度とやりたくない‥‥という意思表示でもあります。
結局、その日は何の作業もできていないのに、
十数万円の費用を支払う事になってしまいました。
そんな調子ですから、何かにつけ、いらない費用が発生し
ほとんど利益は出ませんでした。
社長からは
「何をやっているんだ!」
「給料を払ってやっているのに、お前は給料泥棒だ」
などと罵られるありさま。
素人の私に、無理やり家を建てさせておいて、
そんな言い方はないでしょ。
正直、こんな会社にはいたくないと思いました。
しかし、その時、
既にバブルは完全に崩壊し、
転職しようにも、どこにも仕事が無い状態。
妻子を抱える身としては、
ここで頑張るしかありませんでした。
ここから先、さらに大失敗を重ねました。
50センチほどずれた状態で基礎を作ってしまったり、
床暖房を設置しなければいけない事をすっかり忘れ、
家が完成してから気が付いたり‥‥‥などなど、
悪戦苦闘を繰り返す事になるのですが、
この続きは、また後日。
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One Reply to “【回想録】大失態!大工さんからは手待ち代の請求が‥‥”