マニアックな道具・基礎天端のレベル出し治具

私のスニーカーの底が剥がれてその状況をスマホで写真に撮りました。
Xにその写真を投稿しています。よろしければ見てください。
https://x.com/polaris_h/status/1851794746416730595

その写真を娘に見せたところ娘が他の写真を見て、それは何?と聞かれたので説明すると「何てマニアックな道具」と言って驚かれました。
それがこの写真のオレンジ色で15cmほどの長さがあるスティック状の物です。

基礎の天端の高さをマークする治具

商品名は「天端ターゲット2 縦筋用」
よくレベルポインターとも言ったりします。
最近基礎工事の現場でよく見かける様になりました。
これをどう使うのか?


レベルポインターをどの様につかうのか?


黒い部分はクリップになっていて、鉄筋に挟んで固定します。
だいたい2m間隔ぐらいで設置します。

そしてオレンジ色のスティックにはネジが切ってあって回転させると上下します。
ですから簡単に高さ調整ができます。
高さが調整できたら、コンクリートを羽がちょうど隠れるところまで打設します。
打設というのはコンクリートを流し込むという事です。
その状態がこの写真です。

基礎の立ち上がりへコンクリートを打設した直後

レベルポインターの頭だけが出ています。

この後、その日の内にレベラーを流し込みます。
レベラーとは粘度の低いモルタルで、レベラーをこの上に流し込むと、基礎の天端が勝手に水平で平らな状態になります。
天端というのは基礎の一番上という意味です。
レベラーはレベルポインターの頭が隠れるか隠れないかのギリギリまで流すと、厚さが2cmになって基礎の高さが設計通りの高さに仕上がります。

基礎工事だけに特化した凄くマニアックですが、とても便利な治具です。
この治具を知っているのは基礎屋さんと現場監督ぐらいで、他の職種の職人さんは知らないでしょう。

実はこの作業、昔は大変だったんですよ。

 


昔はどの様に工事していたのか?


まず鉄筋工が鉄筋を組んで、型枠大工が型枠を組んだら、型枠の内側に基礎の高さをマークしていきます。
昔は木枠だったので、チョークを使ってマークしていた様に記憶しています。
その後メタル型枠(金属製の型枠)が主流になると、棒状のマグネットを貼り付ける様になりました。
そしてコンクリートを打設して、コンクリートが固まるのを待ってから、左官屋さんがモルタルで基礎の天端を整えていきます。
レベラーを流すのとは違って、1日仕事でした。

つい30年ほど前まではそんな感じでした。
30年前は携帯電話もまだ普及していなかったので、職人さんを手配して段取りを組むのも大変でした。
夕方、職人さんが家に帰ったところを狙って電話をする訳ですが、なかにはすでに晩酌をしていて酔っぱらっている職人さんもいました。
すると案の定、次の日に現場で待っていても一向に姿を現さないなんて事もありました。

思えば色々便利になりました。

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