住宅の部位ごとの断熱工法の組み合せ方で特徴が違ってきます。
ここでは天井断熱を基軸にして６パターンの断熱工法について「断熱性」「気密性」「価格」の尺度で評価し、比較します。
断熱工法の組合せは全部で１８パターンあります。
このページ以外の残り１２パターンについては下記をクリックしてご覧ください。
ここでの評価は絶対的なものではなく、傾向を示すもので、施工者の技量や知識によって大きく左右されます。
壁：充填断熱 床断熱
評価ポイント25
最もオーソドックスなパターン。
今、建てられている住宅のほとんどが、このパターンです。ちゃんと施工すれば気密性も十分確保できます。
壁：充填断熱 基礎：内断熱
評価ポイント25
とてもバランスの良いパターンです。
床下が基礎断熱になっている分、気密性も確保しやすいです。
このパターンでの断熱施工を標準としている工務店は結構多いです。
壁：充填断熱 基礎：外断熱
評価ポイント23
割とバランスの良いパターンです。
ただ、床下の断熱材が発泡ポリカーボネートの５センチ厚だけだとちょっと物足りないように感じます。
壁：外張り断熱 床断熱
評価ポイント22
割とよく採用されているパターンです。ちなみに大和ハウスのジーヴォはこのパターンです。
気密施工がやや難しいですが、 しっかり施工できれば気密性も確保できるでしょう。
壁：外張り断熱 基礎：内断熱
評価ポイント23
このパターンを採用する工務店もある事でしょう。
基礎断熱になっている分、気密性も確保しやすいですし、夏の逃げやすい天井をしっかり断熱する事もてきます。
壁：外張り断熱 基礎：外断熱
評価ポイント21
床下の断熱材が発泡ポリカーボネートの５センチ厚だけだとちょっと物足りないように感じます。
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★評価方法
断熱性の評価
天井・屋根の断熱は
天井断熱が２点、屋根の充填断熱が１．５点、屋根の外張り断熱が１点。
天井断熱は断熱材の厚さを容易に厚くできる。
屋根の充填断熱は屋根の厚さによって断熱材も厚くできる。
屋根の外張り断熱は断熱材の厚さが１０センチ以上になると施工が困難。
壁の断熱は
充填断熱が２点、外張り断熱が１点。
充填断熱は壁の厚さによって断熱材も厚くできる。
外張り断熱は断熱材の厚さの限界が６センチまで。
床下の断熱は
床断熱が２点、基礎内断熱が１．５点、基礎外断熱が１点。
床断熱は断熱材の厚さを容易に厚くできる。
基礎内断熱は断熱材の厚さよりも地熱の影響の方が大きい。
基礎外断熱は断熱材が基本的に発泡ポリカーボネートの５センチ厚のため。
気密性の評価
天井・屋根の気密は
天井断熱が１．５点、屋根の充填断熱が１点、屋根の外張り断熱が２点。
天井断熱は屋根の充填断熱よりは気密が確保しやすい。
屋根の充填断熱はこの中で最も気密が確保しにくい。
屋根の外張り断熱は気密の確保が最も容易。
壁の気密は
充填断熱が１点、外張り断熱が２点。
充填断熱は気密の確保はどちらかと言えば困難。
外張り断熱は気密の確保が容易。
床下の気密は
床断熱が１点、基礎内断熱が２点、基礎外断熱が２点。
床断熱は気密の確保が結構困難。
基礎内断熱と基礎外断熱の気密の確保は容易。
価格の評価
天井・屋根の価格は
天井断熱が２点、屋根の充填断熱が１．５点、屋根の外張り断熱が１点。
天井断熱は施工が最も容易。
屋根の充填断熱は天井断熱よりは施工がやや困難。
屋根の外張り断熱は最も施工が困難。
壁の価格は
充填断熱が２点、外張り断熱が１点。
充填断熱よりも外張り断熱の方が断熱材は高価で施工手間もかかる。
床下の価格は
床断熱が２点、基礎内断熱が１．５点、基礎外断熱が１点。
床断熱は専用金物もあり施工が容易にできる。
基礎内断熱は床断熱よりはやや手間が掛かる。
基礎外断熱はモルタル塗り等の仕上げに手間が掛かる。
各評価ごとに、最も高得点のパターンを１０点として、次点を９点、８点、７点・・・と割り振り、「断熱性」「気密性」「価格」の３項目の合計の評価ポイントは３０満点となります。
